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抗仏戦争の郵便配達員、地獄の10日間の記憶

2025/10/19 10:19 JST配信
(C) VnExpress
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 毎回、出発のたびに地形を綿密に調べた。届ける距離が数kmのこともあれば、森を抜けて川を越えて40km以上の道のりを進まなければならないことも少なくなかった。

 「私たち郵便配達員は、常に手榴弾を携え、機密文書を敵の手に渡すくらいなら命を絶つ覚悟でした。捕まってしまった場合は、文書を泥土に埋めて隠すのが鉄則でした」とトゥーさん。

 抗仏戦争で郵便配達員を務めた4年の間、トゥーさんは幾多の戦闘をくぐり抜け、何度も死と隣り合わせになったが、「それでも、仲間たちに比べれば私はまだ幸運なほうでした」と静かに話す。

 トゥーさんは、犠牲になった仲間たちを思い出す。1947年にホン川(紅河)で撃たれたザーラム郵便局長のグエン・バン・バウさん、カウ川の中洲で撃たれ、3日後に遺体が見つかった配達員のグエン・ティエン・アイさん、そして、バクニン省のトゥアンタイン郵便局の女性配達員のグエン・ティ・チュオックさんとサイ・ティ・ハンさん。チュオックさんとハンさんは、敵に撃たれた後、遺体を国道38号線の真ん中に晒された。

 抗仏戦争中の9年間、トゥーさんとバクニン省郵便局の職員たちは、原始的な手段で、足だけを頼りにあらゆる危険を乗り越えて任務を全うした。全体で300人以上が捕らえられて投獄され、100人以上が犠牲となった。

 トゥーさんは、戦争が終わった1954年以降も郵便部門で働き続けた。1975年の南部解放後には、ホーチミン市に4か月間派遣され、南部の郵便組織改革を支援した。

 こうした功績により、トゥーさんは1961年に二等抗戦勲章、1988年に一等抗戦勲章、2002年に「敵に捕らわれ投獄された革命戦士記念章」を受章したほか、他にも多くの表彰を受けてきた。

 「森を抜け、爆弾と弾丸の雨をくぐり抜けて通信を繋いだ私たちのような郵便配達員の時代を経て、ベトナムの郵便部門は、科学技術の画期的な応用により大きな進歩を遂げてきました。あのころの私たちの世代が夢見ることしかできなかった未来が今、現実になっているんです」とトゥーさんは語った。

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