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しかし、トゥエンさんはベトナムに約1年間滞在した後、再び韓国への渡航を申請した。ベトナム国内での仕事の収入は海外での約40%にとどまり、職場環境も「思っていたのとは違った」からだ。韓国語を生かして業務をサポートすることはできたが、別の職種に移るには専門知識や技能が不足していた。
「帰国後の環境にはなかなか適応できませんでした。向こうの環境に慣れていて、まだ家庭などのしがらみもなかったので、もう一度韓国に行くことにしたんです」とトゥエンさんは振り返る。
2度目の韓国滞在では、プラスチックリサイクルを行う工場に移り、トラックやフォークリフトの運転免許を追加で取得した。2022年末に帰国した時点で、海外で働いた期間は通算10年に達していた。
トゥエンさんは、就労ビザを上位区分に切り替えて契約を延長できる条件を満たしていたが、最終的には家族のために帰国を選んだ。トゥエンさんと同じ時期に渡航した友人の大半は、現地にとどまり、上位の技能ビザに切り替えて働き続けた。
「同じ分野であっても、ベトナム国内での仕事の収入は海外の40~50%程度です。35~40歳という中途半端な年齢で帰国しても、採用してくれる企業はほとんどないので、あと数年頑張って稼ぐ道を選ぶ人が多いんです」と、多くの人が一度帰国しながらも再び海外へ出る理由についてトゥエンさんは語る。
中には、海外生活が約20年に及び、帰国する時期もまだ考えていないという人もいる。帰国者の多くは、海外で働いた経験に価値を感じており、調査対象者の72%が蓄積したスキルや経験が現在の仕事に役立っていると答えたものの、28%はそれらのスキルがベトナムでの現在の仕事には合っていないと感じている。
日本向けの人材派遣を手掛ける企業の支社長であるグエン・クイさん(男性)は、海外で働いた経験は、労働者の考え方や習慣に影響を与えやすいと指摘する。彼らは若いうち、あるいは労働市場に足を踏み入れたばかりの時期に渡航することが多いためだ。
帰国時には給与面での「ショック」を受けやすく、考え方を変え、新しい職場環境に慣れるまでに長い時間を要する。帰国した労働者が海外で身についた考え方や習慣を変えられなければ、適応するのは非常に難しい。
海外勤務時と同等の収入が得られる、まったく同じ仕事を見つけることはほぼ不可能だ。さらに、同じ分野であっても、労働者の技能や基礎知識、国内の職場環境、同僚、顧客の要求はまったく異なる。そのため、帰国労働者の多くが以前の就労先の国に戻るか、自営を始めることを選んでいる。
クイさんによれば、新たに海外へ働きに出る人は、お金を稼ぐという目的に加えて、語学を学び、技能を高めて将来的に渡航先に残る機会を得る、あるいは帰国後に納得のいく好収入の仕事を見つけるといったかなり具体的な目標を立てている。しかし、こうした当初の目標を維持するのは容易ではないという。
日本では、残業をしない場合、諸費用を控除する前の労働者の月収は約18万円だとクイさんは試算する。家賃、税金、保険料を引いた後、貯蓄できる額は1300万~1500万VND(約8万~9万2000円)にすぎない。しかし、月に約60時間の残業をすれば、貯蓄額は1.2~1.5倍になる可能性がある。

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