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「世界を抜本的に改革する」望月佑紀さん/XVOLVE CEO

2016/10/31 09:37 JST配信

ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けする在住日本人へのインタビュー。

今回インタビュ―させて頂いたのは、XVOLVE 創業者の望月佑紀さんです。

「世界を抜本的に変革する」

そのことをまっすぐに追いかけてきた望月さんが今にたどり着くまでの道のり、そしてこれからの壮大なビジョンについてお話を伺いました。

始まりは資本金1円からの起業

―― まず初めに、望月さんの経歴からお聞かせください。

大学3回生の夏:アパートの一室で創業

望月: 慶應大学3年生時、資本金1円でアパートの1室からスタートしました。初めに選んだ事業はインターネット回線の訪問販売事業。毎日アパートやマンションの扉を叩いて回り営業しました。当初は1日約300件の扉を叩いて1件でも受注が取れれば良いほうでしたが、徐々にインターン生を雇用するなど拡大し、その後半年で約600万円の事業資金をためました。

独自事業に挑戦~倒産の危機

望月: ネット回線の販売で得た資金をもとに、その後独自の事業を開始しました。営業経験のある学生と企業を結ぶ「営業甲子園」や、広告を貼り付けた傘「アドブレラ」、ヘルスケア業界向けのクーポンサイト「リラフリ」などです。

はじめての独自事業立ち上げに失敗が続き、当時20名近くいた社員は3人に。リーマンショックに端を発した世界不況の影響もあり、会社は一時倒産の危機まで追い込まれました。

―― その危機をどう乗り越えたのですか。

顧客の声をもとに事業転換

望月: 当時苦戦していたヘルスケア業界向けのクーポンサイトを、同業界向けの求人サイトへと方向転換しました。「クーポン(集客)は間に合っているけど、スタッフの求人なら・・・」という顧客からの声がきっかけでした。

当時アロマセラピーやタイ古式などが流行し、街中にリラクゼーション関連の看板が目立ち始めたことも、同業界に特化する決め手となりました。

「リジョブ」の誕生、そして成功へ

望月: 当時私には特別な知識や経験もなく、必要なことはすべて独学で学びました。まずはデザインやHTMLを勉強しウェブサイトを作成。続いて求人情報を集めるため街中のリラクゼーション施設へ電話&訪問営業。その後ウェブサイトにユーザーを集めるため、SEO(Google等での上位表示対策)や広告の勉強。当時は法務や経理に至るまですべて自分で行っていました。

のちに求人サイトは「リジョブ」へと改名。市場の成長と、独自のビジネスモデルが受け入れられたこともあり、その後5年でグループ売上10億円、利益4億円、従業員200名を超えるまでに成長しました。

―― 急激な成長を経てその後はどうしたのですか?

会社を日本に残し、シリコンバレーへ

望月: 日本の事業を仲間に任せ、新たな事業チャンスを目指して単身、米国シリコンバレーへと移りました。当時からミッションとしていた「世界を抜本的に変革する」ためです。GoogleやFacebookのように世界全体に大きなインパクトを与える事業を模索していた自分にとって、必要不可欠なステップでした。

2012年、サンフランシスコにて新法人XVOLVEを設立、シリコンバレーの波にもまれながら、いくつかの事業に挑戦をはじめました。グローバルな人材と世界最先端の情報が集まる中での事業立ち上げは、非常にエキサイティングで多くの学びがありました。

しかし、1年半も経つ頃、日本の会社の業績が悪化し帰国を余儀なくされました。

倒産寸前の会社を改革

望月: 帰国してみると、ずさんなコスト管理や地方支店の業績悪化により、月間で2000万円に迫る赤字が発生していることが分かりました。「このままでは数か月で倒産するかもしれない」という状況下、抜本的なビジネスモデル改革や地方支店の統廃合を行い、その後半年で、月間3000万円の黒字ベースへの転換に成功しました。

―― 会社の立て直しを成功した後は?

世界で勝負するため、事業を19.8億円で売却

望月: 実は、アメリカから帰国する際に、会社の将来について3つの選択肢をもっていました。

(1) 会社を上場させる。

(2) 後継者を探す。

(3) 会社を売却する。 

の3つです。

業績を立てなおした後、すべての選択肢を同時並行で検討しましたが、最終的に「会社を売却する」という選択に決めました。理由は原点に立ち返り、目標に対し100%集中することこそが、最速の道のりだと考えたからです。

世界市場に向けた事業をゼロから立ち上げる、それに全ての時間とエネルギーを注ぐことを決意しました。

―― 社員の人たちの反応はどうだったのでしょうか?

社員を集めての売却発表

望月: 売却契約を締結した当日に、社員を集め告知しました。

やはり、まずみんなの頭によぎるのは「この先自分はどうなるんだ」という思いだったため、「その点は心配いらない」という説明をしました。その上で、「次の挑戦に共に取り組むか、会社に残るかはみんなの自由だ」という旨を、中心メンバーに伝えました。

次にやる事業も、活動の拠点でさえも未確定な状況で、社員の多くは会社に残るという選択を取りましたが、数名のメンバーが自分と共に挑戦するという選択肢を取ってくれました。

数名の同志とともに退社、次の挑戦へ

望月: 実は売却の候補先は他にもあり、提示された買収金額が5億以上高かった企業もあるのですが、この「志を共にするメンバーを連れていける」という条件が肝になり、今回の売却先に決定しました。

苦楽を共にし、金銭のみでなく志やビジョンで繋がった仲間というのは、自分が最も大切にするものの一つなので、数名のメンバーがついてきてくれたことはとても嬉しかったです。

―― 売却後はどういった道を進んだのでしょうか?

日本国内の学者や研究機関を訪問

望月: 売却後は、今後やる事業を模索するために、まず日本国内の学者や研究機関などを訪問しました。

ITに限らず、ロボット、遺伝子、エネルギー、宇宙など、世界を抜本的に変える可能性のある技術分野を中心に、東京大学から地方大学まで多くの研究機関や学者の元を訪問しました。

海外移住、「世界」を周る

望月: その後は「世界」を見るために海外に移住しました。近年多くのスタートアップが集まっていることでも有名なドイツのベルリンにまず居住地を定め、現地の起業家やエンジニア、大学教授等と交流しました。

その後ヨーロッパをはじめアフリカ、中東、アジア、オセアニアと30か国以上を旅し、様々な文化や歴史に触れながら、次にやるべきことを模索しました。

―― その旅を通して大きな収穫はありましたか?

「世界」がより身近になった

望月: それまでの自分は「世界を変えたい」といっても、具体的に「世界」がどんな姿をしているのか、あまりイメージすることができませんでしたが、実際に色々な国とそこに住む人々に触れることで、より「世界」が身近になりました。

アフリカではスラム街を訪れ、現地に住む人やNGO関係者と貧困の原因を語りました。ノルウェーでは進歩的な学者や識者と、資本主義や近代社会の行く末を論じました。中東の紛争地帯ではユダヤやイスラムの人たちの見解を聞き、いかに宗教や領土問題が根深いのかを学びました。

世界中のユーザーがイメージできる

望月: 決して世界の全てを知ることができたわけではありませんが、自分の変えたい世界が今どんな姿をしているのか、見ることができた。また、よりビジネス目線で言えば、「こういうプロダクトを作ろう」と思った時に、「あの国ではこんな人が使うだろう」などとイメージできるようになったことが大きな収穫です。

BeHeardの誕生へ

―― そして今たどり着いた答えは?

望月: 世界中を周り、人間の「話を聞いてもらいたい」というニーズは普遍的、かつとても強いニーズであることに気づきました。その発想をもとに生まれたのが現在取り組んでいる BeHeard というサービスです。

BeHeardは世界中のリスナー(聞き上手な人)に、いつでも自分の話を聞いてもらえる、というサービスです。「Be Heard, Be Empowered(世界中の人を繋ぎ力づける)」ことをミッションにしています。

内容については説明するより実際に使ってみたほうがわかりやすいので、ぜひ使ってみてください。

―― 日本でも使用可能なのでしょうか?

望月: 残念ながらまだ日本語には対応していません。グローバル市場をターゲットにしているため、まずはアメリカをはじめとする英語圏でローンチを進めています。

現在はまだプロトタイプ段階なのですが、2016年10月に本格的なベータテストを行い、その後2017年には米国市場に向けて本格リリースを予定しています。

BeHeardの紹介PVはこちら ↓

XVOLVEの今後のビジョン

―― 今までの経緯と現況を踏まえて、今後のビジョンをお願いします。

望月: 「世界を抜本的に変革する」が自分のミッションです。

まずは2020年までにGoogleやFacebookのような、世界トップレベルの企業を創ります。ただ、ビジネス自体はあくまでも社会の構成要素の一つに過ぎません。私たちはビジネスで得た資本力や社会的影響力をもとに、世界により抜本的な変化を起こしたいと思いってます。

具体的には政治、科学、哲学、ビジネス、環境、芸術など各分野から「世界を変えたい」と思っている仲間を集め、ビジネスの枠組みを超えた組織を作りたいと思っています。

国や政府、宗教といった垣根を超え、世界を根本的に良くすることが、自分の人生の最終ゴールです。

―― 最後に今の若者にメッセージをお願いします。

自分の感性、「なんとなく」を大切に

望月: 若いうちは「正直自分のしたいことが明確にわからない」という人が多いと思います。でも、これまで10年、20年と生きてきた中で、「なんとなく」自分が好きなものや、したいかもしれない、ということは分かっているはず。

大切なのはその「なんとなく」を信じて進む勇気だと思います。就活本や、とってつけたような自己分析よりも、10年20年生きてきた中で育まれた自分の「感性」の方がよっぽど信じられるんじゃないでしょうか。

まだそれは言葉にはならないかもしれない。周りの人を説得できるほどの力もないかもしれない。でもその「なんとなく」を信じて突き進むことが、結果的には自分のやりたいことや、夢、情熱へと繋がっていく。自分はそう信じています。

―― 興味の尽きないお話、ありがとうございました!

著者紹介
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、常に100件を超える日本人向けのベトナム勤務の求人・仕事を保有している。
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