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(本記事は、2016年6月21日付け「ベトナム株・経済情報」でプレミアム会員専用記事として配信されたものです。)
ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)によると、2014年におけるベトナム国内の即席めん市場の販売額は前年比+10%増の24兆3000億VND(約1150億円)で、2桁成長を維持しているが、直近5年で最も低い水準だった。
即席めん市場の販売額伸び率は、◇2010年:+18.2%、◇2011年:+16.4%、◇2012年:+16.0%、◇2013年:+11.5%、◇2014年:+10.7%と成長が徐々に鈍化している。
国内の即席めんメーカーは数十社に上るが、市場シェアの大半は、◇日系エースコックベトナム、◇マサンインベストメントグループ[MSN](Masan Group)傘下のマサン消費財(Masan Consumer)、◇アジアフーズ(Asia Foods)の大手メーカー3社が握っている。各社の主要ブランドは、◇エースコックベトナム:「ハオハオ(Hao Hao)」、「ビナ・エースコック(Vina Acecook)」、「ハオ100(Hao 100)」、◇MSN:「オマチ(Omachi)」、「ココミ(Kokomi)」、「サガミ(Sagami)」、◇アジアフーズ:「ガウド(Gau Do)」、「ハロー(Hello)」など。
2010年~2014年における3社のシェアは72%程度を維持しているが、それぞれのシェアを見るとMSNのシェア拡大が目立つ。
2010年におけるエースコックのシェアは48.2%で、MSN(シェア12.0%)及びアジアフーズ(同11.6%)を合わせたシェアの2倍以上を占めていたが、2014年にはエースコックのシェアが38.9%へと縮小したのに対し、MSNのシェアは2010年の2倍にあたる24.6%へと拡大。アジアフーズのシェアも圧迫している。
MSNの伸びに貢献しているのは「ココミ」及び「サガミ」の2つの低価格帯ブランド。2010年における2つのブランドのシェアは合計で0.9%に留まっていたが、2014年には13.3%へと拡大した。また、MSNの高価格帯ブランド「オマチ」のシェアも2010年の8.4%から2014年に9.2%へと小幅ながら増加している。
大手メーカー3社のほか、台湾系サイゴン・ビーオン(Sai Gon Vewong)、ビフォン(Vifon)、コルサ・ミリケット(Colusa-Miliket)、ティエンフオン(Thien Huong)などがそれぞれシェア2%~6%を確保している。
なお、キドグループ[KDC](Kinh Do Corporation)は2015年、サイゴン・ビーオンと提携し、即席めん市場に参入。「ダイザーディン(Dai Gia Dinh、大家族)」ブランドを展開している。