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- 建設省の25年4~6月不動産市場レポート
- 土地供給不足や建設資材・人件費高騰など
- 市場全体では供給・取引の回復示す動きも
建設省が発表した2025年4~6月の不動産市場レポートによると、ハノイ市とホーチミン市のマンション価格が直近10年で最高水準に達し、それぞれ1m2あたり8000万VND(約45万円)、8900万VND(約50万円)となった。
価格上昇の主な要因として、都市部における土地の供給不足、建設資材や人件費の高騰、法的手続きの遅れなどが挙げられる。
不動産市場全体では、供給や取引の回復を示す動きが見られる。4~6月には、全国で新たに58件の住宅プロジェクトが認可され、合計1万6627戸・区画が供給された。この数は、前期比+28.9%増となる。また、進行中のプロジェクトは1517件、販売可能な条件を満たしたプロジェクトは157件と、いずれも前期比+55.4%増加した。
特に社会住宅(低所得者向け住宅)の分野で進展が顕著だった。新たに16件(9544戸)が着工し、32件(2万6528戸)が完成した。6月時点で全国に692件の社会住宅プロジェクトが存在し、総戸数は63万3559戸に達しており、政府の目標の約60%となっている。
同期の不動産取引件数は前期比2.17倍の15万7021件へと急増した。内訳は、マンションや戸建て住宅の取引が微増、分譲地の取引は+21.3%増となった。
一方で、全国の不動産在庫もわずかに増加し、合計2万5294件超となった。中でもマンションの在庫が約2.4倍と、最も大きな伸びを示している。
また、行政区画の再編に関する情報などを背景に、一部地域では分譲地価格が+3~5%上昇した。
都市部を中心に住宅価格の高騰が続いているものの、供給拡大や取引活性化の兆しが見られ、不動産市場全体としては回復傾向にあるといえる。