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映画にR指定を付けることは本来、観客層を絞るためのものだが、具体的な規定が設けられていない現在、むしろ観客の興味を惹きたて、観客動員数を伸ばす材料に使われている。
旧正月から現在までにベトナムでは7本のR-16指定映画が劇場公開された。これらの作品はいずれも性的表現もしくはホラーや暴力的な要素が強いため、R-16指定となった。ベトナム映画には以前、R指定が付けられていなかったが、こうした映画は公序良俗を乱すものとして劇場公開が行われてこなかった。
しかし、ベトナムは世界貿易機関(WTO)加盟後に映画法を改正。より多くの映画が流通できるよう検閲規則も改めた。これにより新たにR指定を設けることになり、これまで日の目を浴びなかったような作品が劇場公開できるようになった。
ベトナム初のR-16指定映画となったのは、2007年に公開された越韓合作のホラー映画「Muoi(10)」。その後も次々とR-16指定映画が公開された。R指定ができたことで、ベトナムの映画人にとっては表現の幅がぐっと広がった。また観客にとっては、事前にどの映画が自分に相応しいかを知る目安にもなり、評判はおおむね好評のようだ。因みに上映室に入るときには年齢確認も行われる。
なお、シネコン大手CGVが発表した観客の年齢層に関する統計によると、全体の71%が18~29歳となっている。また、ハノイ市国家映画センターの統計でも16歳以上の観客の割合が全体の60%以上とされている。
R-16指定を付けることで、16歳未満の観客が入場できなくなるが、映画館に足を運ぶのは16歳以上が大多数。珍しいもの好き、新しいもの好きのベトナム人消費者がR指定映画に飛びつくのは容易に想像がつく。映画会社はこうしたベトナム人消費者の心理を狙い、興行目的で積極的にR指定の作品を制作している。
但し、ある映画監督は、「R指定の検閲が性的な表現、ホラー、暴力的な内容まで一括りでまとめられているため、性的内容を含む映画ではないにもかかわらず、観客に誤解されてしまう」と不満を漏らしている。こうした意見を受けて、映画局は今年2月、R指定をより細分化する方針を示した。
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