ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

映画「ソン・ランの響き」日本公開、初日舞台挨拶に監督と主演俳優が登壇

2020/02/26 06:30 JST配信
(C) ムービー・アクト・プロジェクト
(C) ムービー・アクト・プロジェクト 写真の拡大.

 ベトナム映画「ソン・ランの響き(原題:Song Lang)」が22日、新宿K’s cinemaで公開初日を迎えた。日本公開に合わせてレオン・レ(Leon Le)監督と主演のリエン・ビン・ファット(Lien Binh Phat)が訪日し、初日舞台挨拶に登壇。ベトナムの伝統歌劇「カイルオン(Cai Luong)」をテーマにした理由や、作品への思いを語った。

 カイルオンを作品のテーマにした理由について問われたレオン・レ監督は、「子供の時からカイルオンの役者になることが夢でしたが、13歳から米国で暮らすことになったんです。その時、恐らくこの夢は叶わないだろうと思いました。しかし、カイルオンへの愛は私の中で1日も消えることなく、あり続けたんです。そして20年後、カイルオンの役者になることではなく、カイルオンの映画を作るという夢を持ってベトナムに帰国し、脚本を書き始めました」と語った。

 一方、リエン・ビン・ファットは役作りについて「俳優デビュー作であり、たくさん難しいシーンがあったため、私の全ての能力を費やしました。脚本を何度も読み込み、演じるユンの人物像を分析し、カイルオンについても研究しました」と話した。

 トークショーの中で、レオン・レ監督はリエン・ビン・ファットを主演に抜擢した理由にも言及。「彼のボディや美貌も重視しました。魅力的ですから(笑)。しかしそれよりも大事にしたのは、彼の表現力です。特に無邪気な雰囲気の目です」と振り返った。

 また、カイルオンの花形役者リン・フンを演じたアイザック(Issac)については、プロデューサーから提案された当初は断ったと明かした。「韓国のポップスターのようなアイザックは適役ではないと思っていました。しかし、何百人に会ってもふさわしい人がいませんでした。それでもう一度彼と会ってみると、バランスが取れていると感じたんです。カイルオンの役者にもオーディションを受けてもらいましたが、映画の世界にとけ込めないんです。しかし、映画の役者はカイルオンを演じられない。彼はそのバランスが良かったんです」。

 続いて、レオン・レ監督への思いを問われたリエン・ビン・ファットは「監督への思いはA4用紙2枚でも足りません」と笑いながら、「最も尊敬しているのは、基準を設け、自分の主張を譲らず、最後までやり遂げるところ。周りが経済的な効果の出る方法を提案しても、最後まで自分の基準を維持していました」と監督のこだわりを讃えた。

 イベント終盤には、レオン・レ監督とリエン・ビン・ファットが練習してきたという日本語でそれぞれ挨拶。レオン・レ監督は「ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします」と述べ、リエンも「友達にもどうぞよろしく!」と語り、開場は拍手に包まれた。

 「ソン・ランの響き」は2018年にベトナムで公開され、日本では同年の第31回東京国際映画祭(TIFF)で上映された。TIFFではリエン・ビン・ファットが「東京ジェムストーン賞」を受賞。また2019年11月に開催された第21回ベトナム映画祭では最優秀作品賞にあたる「ゴールデンロータス賞(Bong Sen Vang)」に輝いた。さらにレオン・レ監督が監督賞を、アイザックが助演男優賞を受賞した。このほか、世界各地の映画祭に出品され、数々の賞を受賞している。

 「ソン・ランの響き」は新宿K’s cinemaほか全国順次公開中。詳細は公式ウェブサイト<http://www.pan-dora.co.jp/songlang/>を参照。

【あらすじ】
1980年代のホーチミン市。高利貸しの手下で借金の取り立て屋ユン(Dung)と、ベトナムの伝統歌劇「カイルオン」の花形役者リン・フン(Linh Phung)。全く接点のないはずの2人があるきっかけで知り合い、友情にも似た感情を互いに抱く。ユンは過去の記憶に囚われながらも新たな道を進もうとするが、その罪は償うにはあまりにも大きく、抗えない運命が迫っていた……。

【予告編】

[2020年2月22日 ムービー・アクト・プロジェクト A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
26年のGDP成長率目標+10%以上、国会決議 (17:46)

 国会は13日、2026年の経済社会発展計画に関する決議を採択した。決議では、15の主要目標と、11の重要任務および対策を規定している。  主な経済指標の目標は、◇国内総生産(GDP)成長率:+10%以上、◇国民1人...

ホーチミン:野菜価格が高騰、長引く雨で供給途絶 (17:35)

 ホーチミン市では現在、長引く雨の影響により野菜の供給量が大幅に減少し、価格が急上昇している。この値上がりは家計を直撃し、飲食業や小売業者も苦境に立たされている。  市内のホックモン卸売市場とト...

ビンバス、国内初の電動スクールバスサービスを開始 (15:54)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製EV・電動バイクのレンタカー・タクシー会社であるグリーン・スマート・モビリティ(GSM

ホーチミンの市場とともに生きる:ニティエンドゥオン市場 (9日)

 ホーチミン市の伝統的な市場は、少しずつ過去のものになりつつある。市場では、年を取った商人たちが屋台のそばに座り、にぎやかで慌ただしい現代の中で、記憶の炎を静かに守り続けている。  タンディン市...

米モトローラ、ベトナム市場に再参入 スマホ5機種投入 (15:32)

 米モトローラ(Motorola)が、ベトナムのスマートフォン市場に復帰した。同社は5機種の新型スマートフォンを投入し、本格的に再参入を図る。  投入されたのは、「Motorola Razr 60」、「Motorola Edge 60 Fus...

国産ブロックチェーンプラットフォーム「オナスチェーン」登場 (14:56)

 オナスチェーン・ブロックチェーン・テクノロジー(OnusChain)は11日、南中部地方ダナン市で国産ブロックチェーンプラットフォーム「オナスチェーン」を発表した。  同プラットフォームは、教育機関、企業、...

地場ミンタックグループ、韓国電力技術と提携 洋上風力発電事業で (13:14)

 韓国電力公社(KEPCO)の子会社で、発電所の設計や建設などを手掛ける韓国電力技術(KEPCO Engineering & Construction Company)は10日、再生可能エネルギー事業の開発や投資を行うベトナムのミンタックグループ(M...

チュングエン・レジェンド、ホーチミン中心部に新店舗をオープン (13:14)

 地場大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)傘下のチュングエン・レジェンド(Trung Nguyen Legend)は11日、ホーチミン市サイゴン街区パスツール(Pasteur)通り164番地に新店舗「チュン...

プルマンホテルでの違法賭博事件、官僚ら被告141人に有罪判決 (6:13)

 ハノイ市人民裁判所は12日、2024年6月にハノイ市のホテル「プルマン・ハノイ(Pullman Hanoi)」内のクラブ「キングクラブ(King Club)」で摘発された賭博事件の被告141人に有罪判決を下した。  キングクラブ...

クオン国家主席、初訪越のヨルダン国王と会談 (6:01)

 ルオン・クオン国家主席は12日、ベトナムを公式訪問したヨルダンのアブドッラー2世国王陛下と会談した。国王のベトナム公式訪問は、両国が外交関係樹立45周年(1980年~2025年)を迎える中で行われたもの。  ...

ロシア製抗がん剤、保健省がベトナムでの流通許可 (5:58)

 保健省医薬品管理局はこのほど、ロシア製抗がん剤「ペンブロリア(Pembroria)」に対して、ベトナムでの流通登録証明書を発行した。  主成分はペンブロリズマブ(Pembrolizumab)で、肺がんや黒色腫、大腸がん...

ラオカイ省人民委主席がニンビン省人民委主席に転任 (5:54)

 西北部地方ラオカイ省人民委員会主席を務めていたチャン・フイ・トゥアン氏は12日午前、書記局の決定により、北部紅河デルタ地方ニンビン省共産党委員会副書記(2025~2030年任期)に就任した。  また、同日...

FPTとヤマト運輸、ベトナム人大型トラックドライバー育成で協業 (4:30)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グループの日本法人FPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)とヤマトホールディングス株式会社(東京都中央区)傘下のヤ

ファイン、地場ロータスフードGと業務提携 健康食品事業拡大へ (4:30)

 健康食品や医薬品などの製造・販売を手掛ける株式会社ファイン(大阪府大阪市)は、地場ロータスフードグループ(Lotus Food Group、ホーチミン市)との間で、ベトナム市場における健康食品事業の拡大を目的とした...

TCJグローバル、地場日本語教育機関のフンブオンと提携 (3:23)

 外国人留学生向け進学・就職日本語コースの運営などを手掛ける株式会社TCJグローバル(旧:東京中央日本語学院、東京都新宿区)は、ベトナム国内で日本語教育と留学・就労者紹介事業を運営するフンブオン国際人材...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved