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国際協力銀行(JBIC、東京都千代田区)は、三菱商事株式会社等が出資するベトナム法人「Vung Ang II Thermal Power Limited Liability Company(VAPCO)」との間で、第2ブンアン石炭火力発電事業を対象とした融資金額約6億3600万USD(JBIC分、約660億円)を限度とするプロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結した。今回の融資は、「成長投資ファシリティ」を活用し、民間金融機関及び韓国輸出入銀行との協調融資により実施するもので、協調融資総額は約17億6700万USD(約1840億円)。
同プロジェクトは、VAPCOが北中部地方ハティン省ブンアン地区において、発電容量1200MW(600MW×2基)の超々臨界圧石炭火力発電所を建設・所有・操業し、25年間に亘りベトナム電力グループ(EVN)に対して売電するもの。
同プロジェクトは、2017年6月6日及び2018年5月31日にそれぞれ発出された日越首脳共同声明においても、両国のエネルギー分野における協力強化のための具体的施策の一つとして位置付けられた。また日本政府は、2020年7月に改訂した「インフラシステム輸出戦略」において、インフラの設計・建設・運営・管理を含むシステムの受注や現地での事業投資の拡大の推進を表明している。
ベトナム政府は、電力供給能力の拡充を国家の優先課題と位置付け、電源開発を迅速に進めるべく、2011年に策定した「第7次電源開発計画」を2016年に改訂。同プロジェクトは同計画に規定され、2020年代以降のベースロード電源として電力の安定供給を通じ、ベトナムの経済発展にも貢献することが期待される。
JBICは、これまでにベトナムにおける脱炭素化に向けたエネルギー政策転換への取り組みを行っており、係るエンゲージメント強化も踏まえ、同プロジェクトを支援していく方針。