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グローバル人材総合サービスを手掛けるICONIC(ホーチミン市)は、在ベトナム日系企業を対象に実施したベトナム人従業員の昇給率・賞与動向に関するアンケート調査の結果を発表した。
同調査は、ベトナムの日系企業における給与動向を定点観測する目的で毎年行っているもので、今年で12年目となる。今回はベトナム全土から過去最多となる232社341拠点の日系企業が回答した。
2020年度のベトナム拠点の業績に対して、新型コロナ禍によるマイナスの影響(業績の悪化)を受けている企業は全体の60%程度だった。これは、平均昇給率の2021年予測値が直近の実績値と比較して▲2%程度の減少に留まり、大幅な昇給率の抑制に踏み切る企業が限られていた理由の1つと考えられる。
ベトナム人の各職層について、平均昇給率の2020年実績値は+7~8%程度となった。一方、2021年予測値は直近の実績値を2%程度下回る+5~6%程度となっている。また、最大昇給率の2021年予測値は+7~10%程度と、新型コロナ禍でもパフォーマンスの高い社員に対して還元しようとする姿勢がうかがえる。
2021年度における1人当たり昇給予算の全体方針について、2021年度に昇給を全く実施しない予定の企業は全体の3.6%、また前年比で2021年度の1人当たり昇給予算が減少する予定の企業は全体の30%程度となっている。
今後の状況がまだ不透明で、地域別最低賃金も上昇しない見込みという状況の中で、ベトナムの国内総生産(GDP)成長率が前年比+2.91%とプラス成長だったこと、また消費者物価指数(CPI)も前年比+3.23%と例年通りの水準で上昇したことから、昇給を全く実施しない予定の企業が少なかったものと考えられる。
職層毎の昇給率(中央値)の経年推移
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