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日本全国で70か所近くの自立支援特化型通所介護施設(デイサービス)を運営している株式会社ポラリス(兵庫県宝塚市)は、医療リハビリサービスを手掛ける地場レメディ(Remedy、ハノイ市)と業務提携し、6月27日よりベトナム初の自立支援型介護施設をオープンする。
施設はハノイ市バーディン区グエンタイホック通り154番地(154 Nguyen Thai Hoc, quan Ba Dinh, TP. Ha Noi)に立地し、寝たきり状態、老化や運動・栄養不足による機能低下、急性期からの回復、介護が必要といった60歳以上の高齢者を対象とする。
ベトナムで急速に高齢化が進んでいる中、ポラリスは自立支援介護で高齢化の課題解決を図る。日本で豊富な改善事例が出されているポラリスの自立支援ノウハウを導入し、ベトナムの高齢者の機能改善と介護者の介護負担、国の財政負担の削減を目指す。
今回の進出でベトナムにおける自立支援サービスのビジネスモデルを検証し、改善事例や検証結果をもとに、ベトナム政府に対して関連する制度や仕組みの構築を提案する方針だ。
また、日本における介護人材の課題解決として、ポラリスはレメディと連携して、医療大学や短期医療大学を卒業した学生を募集する。募集した人材は、日本語教育とポラリスベトナム事業所での研修を終えた後、日本に入国し、技能実習生やインターンとしてポラリスの各事業所で就業する。
一方、日本国内に在住しているベトナム人も特定技能の資格で採用する予定。ポラリスでの就労期間が完了した後、他の介護施設に移転するほか、母国に戻り、介護専門者や指導者として従事する方向もある。
ベトナムでは高齢者ケアに関する知識や技術を持つ介護職という職種がまだ定められておらず、老人ホームなどの施設でも専門的なスキルを持っているスタッフの数が少ない状況だ。この人材確保スキームにより、日本での課題を解決するだけでなく、ベトナムで介護知識を普及させることも視野に入れている。
ポラリスは今後、ベトナムでのフランチャイズ(FC)展開を目指し、レメディと合弁し、子会社「ポラリスベトナム」を設立する予定。通所型をはじめ、短期間で集中的にリハビリを行える宿泊短期滞在型施設の開設についても準備を進めている。