ホーチミン市内のフン・ブオン病院産婦人科で16日朝、生後1日の赤ちゃんが死亡した。赤ちゃんの祖母にあたる、メコンデルタ地方ロンアン省在住のグエン・ティ・ゴック・タインさんは、この事件のいきさつを次のように説明している。
14日夜7時ごろ産婦のフアンさん(タインさんの娘)は分娩室に運び込まれ、翌朝7時ごろ3.6キログラムの元気な女の赤ちゃんを出産した。その30分後、家族は赤ちゃんと対面しており、その時点でなんらおかしなところはなかったという。
ところが15日午前11時ごろ、母子の様子を見に行ったタインさんは、赤ちゃんの口の中にまだ痰(たん)が残っていることに気が付いた。赤ちゃんは泣き続け、呼吸しづらくしており、肌が徐々に紫色になっていくのを見て、看護師を呼んだ。宿直の医師に見せたが、何も処置を施さず、逆に「この肌は黒いだけ! 何が紫だ」と言われた。納得できずほかの医師にも検査を要求したが、医師は耳を貸さなかったという。
しかしその15分後、また呼吸困難な様子を示したため、タインさんは救急処置を要求。このときになって宿直の医師たちは、ようやく赤ちゃんを救急科へ移したが、翌16日の朝5時、赤ちゃんの死亡が確認された。病院側は原因を確定するために病理解剖を提案しているが、家族側は公平を期すため専門家の立会いを希望している。