保健省診察治療局のルオン・ゴック・クエ副局長はこのほど、3年間実施された甲状腺疾患予防に関する国家目標プログラムの総括にあたり、国民のヨード不足状況が改善するどころか悪化していると明らかにした。
ベトナムでは食事からのヨード摂取が不足がちになるため、政府がヨード添加塩の使用を推奨している。しかし、調査対象となった90村のうちヨード添加塩の普及率が90%に達しているのはわずか23村にとどまった。また。妊婦の77.7%がヨード不足の状態だった。普及が遅れている原因として、ヨード添加塩を不潔だと誤解している人が多いこと、独特の臭い、普通の塩より割高なこと、不熱心な普及活動などが考えられるという。
ヨード添加塩の全国での普及率は、2005年の88.8%から2008年には70.8%に減少している。特にホーチミン市は南部20省・中央直轄市の中で普及率が最も低く66.7%(2005年)から54.2%(2008年)にまで減少した。保健省は状況改善の方策として、食塩や食品加工用の塩にヨード添加塩の使用を義務付けることや、ヨード添加のヌクマムについての基準を設けることなどを提案している。