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ハノイ市人民裁判所は1日、妻と愛人の間にできた子供2人を殺害したとして殺人罪に問われていたグエン・バン・ズイ被告(男・34歳)に死刑の判決を言い渡した。
この事件は、2018年5月19日にズイ被告が自分の子供として育ててきた幼子2人に農薬を飲ませて殺害したというもの。ズイ被告もその直後に残りの農薬を飲んで自殺を試みたが、致死量ではなかったため、さらに自宅の3階から飛び降り自殺を図った。しかし、同被告は電線に絡まって一命を取り止め、愛する子供たちを自分の手で殺害してしまったトラウマに苦しみながら出廷することになった。
同事件で殺害されたのは、ズイ被告の妻N・T・Hさんが不倫関係にあった男性2人との間にそれぞれできた、男児N・L・N君(当時5歳)と女児N・T・L・Vちゃん(当時3歳)の2人。
ズイ被告は建設作業員、Hさんは販売員として働き、2人は2008年に結婚した。しかし長らく子宝に恵まれず、不妊治療を受けていた。そんな中、Hさんが2013年に長男を、2015年に長女を出産。幸せが続いて有頂天だった同被告は、子供2人を誰よりも愛し大切にしていた。
しかしその後、Hさんに愛人がいたことが判明し、息子と娘がズイ被告に全く似ていないこともあり、周囲の人々も「子供2人はHさんの愛人の子供なのではないか」と疑っていた。そして、ズイ被告が秘密裏に依頼したDNA鑑定の結果、子供2人は同被告と血縁関係がなく、Hさんと別々の男性2人との間にできた子供だったことがわかった。
ズイ被告は愛人との関係を断つようHさんを説得したものの、Hさんはこれを拒否して離婚を告げ、「どうせあなたの子供ではないから」と子供2人を連れて実家に戻った。子供がいない未来が怖くてたまらなくなった同被告は事件当日、子供を自宅に迎え入れて無理心中を図った。
自宅に残された家族宛ての遺書には「火葬後は親子3人の遺骨を1つの骨箱に入れて欲しい」「お父さんお母さん、親不孝者でごめん」などと書かれていた。Hさんは涙ながらに情状酌量を求めたものの、裁判所はズイ被告が無抵抗の幼い子供2人を殺害したことを重く見て、死刑の判決を下した。