ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

フランスで競売予定だった阮朝の金印、ベトナム返還が決定

2022/11/16 06:13 JST配信
(C)Zing
(C)Zing 写真の拡大.

ベトナム文化スポーツ観光省は、フランスで競売にかけられる予定だった阮(グエン)朝の金印について、競売を担当するパリのオークションハウス「ミロン(Millon)」と交渉し、フランス側が両国間の友好的協力関係を考慮の上で金印をベトナム側に返還することに同意した。

 これは同省が14日夜に明らかにしたもの。同省は金印を国内に戻すべく、ミロンと連携しながら法律に従って手続きを急いでいる。返還の条件については明らかにされていない。

 ミロンはこれに先立ち、ベトナム最後の王朝である阮朝(1802~1945年)の金印と金椀を競売にかけると発表。このうち、金印は200万~300万EUR(約2億9000万~4億3000万円)で売却される見通しだった。金印は、阮朝第2代皇帝ミンマン(明命)帝(在位:1820~1841年)が在位中の1823年に鋳造されたもので、重さは10.8kg。

 これを受け、阮朝の子孫を代表するグエンフック族評議会(Hoi dong Nguyen Phuc toc Viet Nam)がミロンに対し、金印も含め、阮朝に由来する国宝級の重要遺物の競売を中止するよう求める文書を送付。さらにフランスのエマニュエル・マクロン大統領宛てにも請願書を送付し、当局による調査が行われるまでの間、大統領の権力を行使し競売を中止させるよう要請した。同評議会は請願書の中で、「金印は阮朝の皇帝から皇帝へと受け継がれたものであり、最後の皇帝であるバオダイ(保大)帝(在位:1926~1945年)の私物ではないため、個人が譲渡する権利は持たない」と記し、同評議会こそ王朝の権利と義務を正式に継承する組織だと主張した。

 金印はバオダイ帝が保管していたが、独立宣言日の1945年9月2日を控え、権力移譲の象徴として同年8月30日にカイディン(啓定)帝(バオダイ帝の父)の剣と共にベトナム独立同盟会に引き渡された。戦乱の中、再びバオダイ帝の元に戻ったが、バオダイ帝の死後は、最後の妻であるフランス人のモニーク・ボードー(Monique Baudot)さんが保管していた。彼女が2021年に死去した後、金印を手にした遺族が違法に売りさばこうとしたと見られる。

 同評議会は、金印が国宝級の重要遺物であるとし、ボードーさんの遺族が相続に関する書類を提出できたとしても合法的なものではなく、ユネスコの「文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約」にも違反すると強く抗議した。なお、バオダイ帝とボードーさんの間には子供がいなかった。
 

[Zing 22:01 14/11/2022 / VnExpress 19:28 14/11/2022 U].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
韓国のベトナム人滞在者34万人、就業・留学ともにトップ維持 (6:39)

 韓国法務省出入国・外国人政策本部はこのほど、「出入国・外国人政策統計月報」を発表した。  2025年9月末時点での韓国在留外国人は273万7832人で、前年同月比+1.8%増加した。90日以上滞在し、外国人登録...

ベトナム発のインディーゲーム「ハイさんのフォー店」が大ヒット (6:30)

 ベトナム発のインディーゲーム「Brother Hai’s Pho Restaurant(フォーアインハイ=Pho Anh Hai=「ハイさんのフォー店」の意)が、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でブームになっており、今月4日ま...

ホイアン:海岸の砂に埋もれた古い木造船、台風で露出し「再」発見 (5:20)

 台風13号(アジア名:カルマエギ、日本では台風25号)が通過した後の南中部地方ダナン市ホイアンタイ街区(旧クアンナム省ホイアン市)のタンタインビーチで8日、古い木造船の船体を囲む木枠が現れているのを地元住...

ホーチミンの市場とともに生きる:ニティエンドゥオン市場 (9日)

 ホーチミン市の伝統的な市場は、少しずつ過去のものになりつつある。市場では、年を取った商人たちが屋台のそばに座り、にぎやかで慌ただしい現代の中で、記憶の炎を静かに守り続けている。  タンディン市...

ベトテル、インド複合企業アダニの傘下企業と防衛技術で提携 (5:01)

 国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)の子会社で、電子機器などの製造を手掛けるベトテル設備製造総公社(Viettel Manufacturing Corporation=VMC)は10日、インドの大手コ...

グラブ、北部5省で事業拡大 3省に進出・2省でエリア拡大 (4:33)

 シンガポール系グラブ(Grab)の現地法人グラブベトナム(Grab Vietnam)は、北部5省で事業を拡大した。  今回、新たに3省に進出したほか、2省ではサービスの提供エリアを拡大した。  新たに進出したのは、...

ニンビン省人民委主席がフンイエン省人民委主席に転任 (4:02)

 北部紅河デルタ地方ニンビン省人民委員会主席を務めていたファム・クアン・ゴック氏は11日、書記局の決定により、北部紅河デルタ地方フンイエン省共産党委員会副書記に就任した。また、12日にフンイエン省人民...

ユアテック、第7ソクチャン洋上風力発電所の第2期工事を受注 (3:03)

 総合設備エンジニアリング企業の株式会社ユアテック(宮城県仙台市)は、南部メコンデルタ地方カントー市(旧ソクチャン省)の第7ソクチャン洋上風力発電所の第2期工事を受注した。  同社は、サステナブル経営...

「ベトナムフェスティバル岡山2025」、11月23日開催 (2:00)

 岡山県岡山市の下石井公園で11月23日(日)の10時から18時まで、「ベトナムフェスティバル岡山2025」が開催される。入場無料。  同フェスティバルは、ベトナムの文化を紹介し、国際交流を深めることを目的と...

主要上場企業30社の7~9月決算、銀行と証券が牽引 利益の質改善 (12日)

 VN30インデックスを構成する主要上場企業30社の2025年7~9月財務諸表では、同期の売上高合計が前年同期を上回ったものの、前年10~12月のピークには届かなかった。一方、税引後利益合計は前期比でわずかに減少...

ホーチミン:ベンタイン~カンゾー間のメトロ、年内着工を提案 (12日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)のファム・ニャット・ブオン会長が設立したインフラ投資会社であるビンスピード(VinSpeed)は、ホーチミン市の市街地

ホーチミン:メトロ2号線、26年1月15日に着工 (12日)

 ホーチミン市人民委員会は、同市都市鉄道(メトロ)2号線(ベンタイン~タムルオン間)を2026年1月15日に着工することを決定した。  市当局によると、今年12月末までに、調整事業化調査(FS)報告書や環境影響評...

チャイルドシートの使用義務付け、26年1月1日から (12日)

 道路交通秩序安全法の規定によると、2026年1月1日から、10歳未満で身長1.35m未満の子どもは自動車に乗る際、チャイルドシートの使用が義務付けられる。  違反した場合は、最高100万VND(約5850円)の罰金が科...

ビン国際空港、5か月の改修経て12月19日から運用再開 (12日)

 北中部地方ゲアン省のビン国際空港が約5か月の改修工事を経て、12月19日から運用を再開する。年末の運用再開により、同省の航空需要および観光業の回復の追い風となる見通しだ。  同空港によると、滑走路、...

気候テックの地場アルテルノ、日本法人を設立 日本展開を本格化へ (12日)

 クライメートテック(気候テック)分野の地場スタートアップ企業のアルテルノ(Alterno)は10月31日、茨城県つくば市に製品の現地化・研究開発・パイロット生産を担う地域拠点となる日本法人「Alterno Japan合同会...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved