ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

カリフォルニア:人気ベトナム料理店、その軌跡

2006/06/11 07:07 JST配信

 カリフォルニアの人気ベトナム料理店「スレンテッド・ドア」で食事をするには最低4週間前までに予約が必要だ。予算は2人で100米ドル程度。ここでは毎日1000食程度を提供しているという。4000を越えるライバル店との競争を勝ち抜いたこの店の店長を務めるのは、ダラット出身のチャールズ・ファン(越名:ファン・タイン・トアン)である。

 14歳のころ家族とカリフォルニアに移住。少年の頃から毎朝弟妹たちの朝ごはんを作ってから学校へ行き、学校から帰ると遅くまで父の店を手伝う生活だった。父はそんな息子をかわいそうに思い、人生を変えるために建築の道に進ませようとした。中学卒業後、父の言葉に従ってバークレー大学の建築科へ。3年次のとき中退してニューヨークの建築事務所に入ったが、途中で嫌になりセールスに転職。しかしその会社が倒産したため、仕方なくカリフォルニアへ戻り何をしようかと考えていたところ、古い壊れかけた厨房セットが売られているのを目にする。当時周辺にベトナム料理の店はなかった。彼の頭に「ベトナム料理店を開く」というアイデアがひらめいた。

 家族全員で14万ドルの開業資金を集め、1995年に店をオープン。味もおいしく、当時ベトナム料理は珍しかったので、すぐに80人の店員でも追いつかないほどの大人気となった。店が手狭になってきたため2002年にブランナン通りへ移転。この店はバーカウンターも備え、わずか1週間のうちに売り上げは2倍になった。1年後さらなる店舗拡大のためフェリービルに移転し、フロアの面積は約2500㎡となった。

 彼はいつも店員たちにこう言っている。「レストランのサービスはブロードウェイで演じるのと同じだ。有名だろうと、昨日のサービスがどんなに良かろうとお客様にとってはどうでもいいことだ。ただ今日、出したお金に見合うだけのサービスを受けられるかどうかが重要なのだ。」彼はサービスにおいて「最も心に残る演出」を忘れない。彼の店にはビル・クリントンも訪れ、また彼はアメリカで有名なテレビの料理番組にも出演した。

 最近テイクアウトも始めた。アウト・ザ・ドアというその店ではフォーやおかゆ、ベトナム式フランスパンサンドイッチなどを売っている。彼の夢はいつの日かマクドナルド好きの地元人にもベトナム料理が受け入れられるようになることだ。栄養価が高く太りにくいベトナム料理がアメリカ人の日常の食卓に上り、謝恩祭のご馳走ではフライドチキンの隣にビタミンたっぷりの生春巻きがおかれるようになることを・・・。

【関連記事】

世界各国で人気のベトナム料理店5選 (2017/07/01)

[2006年5月21日 Thanh Nien 電子版].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
カラオケの騒音に最大1.2万円の罰金、昼夜問わず適用 (14:06)

 家庭内暴力の防止や社会秩序の維持に関する行政罰を定めた政令第282号/2025/ND-CP(12月15日施行)によると、騒音を伴い、他人の生活に影響を与えるカラオケ行為は、最大200万VND(約1万1770円)の罰金を科される可...

SEA Gamesサッカー、ベトナムが劇的逆転勝ちで金メダル (13:56)

 タイで開催中の第33回東南アジア競技大会(SEA Games 33)は12月18日に、男子サッカー競技の決勝が行われ、U-22ベトナム代表が開催国U-22タイ代表を3-2で下して2大会ぶり4度目の金メダルに輝いた。ベトナムは前半...

ベトジェット会長、「25年の影響力のある人物」に2年連続選出 (13:10)

 英ライフスタイル誌「タトラー(Tatler)」が発表した「2025年の影響力のある人物」に、格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)のグエン・ティ・フオン・タオ会

湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (14日)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

リックソフト、地場ビープラス・ソフトウェアと資本業務提携 (13:01)

 テクノロジーソリューション事業などを手掛けるリックソフト株式会社(東京都千代田区)は、エンタープライズソフトウェア開発およびアトラシアンベースのソリューション統合を専門とする地場ビープラス・ベトナ...

ホーチミン:メトロ1号線、運行開始1年で1895万人利用 (6:26)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)によると、2024年12月22日に運行を開始した同市メトロ1号線(ベンタイン~スオイティエン間)は、運行開始から約1年が経過した12月15日時点で、累計7万8194本を運行...

ハノイ:旧市街に初の地下駐車場を建設へ (6:02)

 ハノイ市人民委員会は、旧市街における初の地下駐車場計画として、ホアンキエム街区のフンフン・バットダン公園に建設予定の地下駐車場について、縮尺500分の1の計画を承認した。  予定地は、北西がフンフ...

ガバメント効率性指数25年版、ベトナムは120か国中48位 (5:18)

 シンガポールのチャンドラー・ガバナンス研究所(Chandler Institute of Governance=CIG)は、120か国の政府の能力と成果を測定した「チャンドラー・グッド・ガバメント・インデックス(Chandler Good Government...

丸紅と浜松市、アマタシティ工業団地の優遇措置で協定 (5:04)

 丸紅株式会社(東京都千代田区)と静岡県浜松市は、浜松市内企業の海外における事業展開を支援することに合意した。  同協定は、丸紅がアジア地域で展開する工業団地に浜松市内の企業が入居する際に優遇措置...

中部の豪雨被災地、年内に住宅修繕完了 「クアンチュン作戦」実行 (4:25)

 ファム・ミン・チン首相は17日、ベトナム中部で発生した記録的な豪雨・洪水により住宅が倒壊・損壊・流失した住民に向けて、住宅の再建・修繕を行う「クアンチュン作戦」の実施を促した。  「クアンチュン...

25年11月の新設外資企業322件、前年同月比+20% (4:20)

 各省・市の計画投資局のデータによると、2025年11月に全国で新規設立された外資企業および支店、営業所、駐在員事務所の数は前月比▲22.0%減、前年同月比+20.2%増の322件で、うち会社が309件、営業所が12件、...

セルプロジャパンとSMC、ベトナム向け再生医療事業展開で提携 (3:12)

 D2C×サブスクリプション事業やメディカルサポート事業を手掛ける株式会社Waqoo(東京都世田谷区)のグループ会社で、再生医療関連事業を行うセルプロジャパン株式会社(神奈川県藤沢市)は、日本の医療技術の...

ダナン:ニューイヤーフェスティバル2026、12月30日から開催 (2:35)

 南中部地方ダナン市文化スポーツ観光局は9日、年末年始に開催する一連のイベント情報に関する記者会見を開き、ニューイヤーフェスティバル2026の開催を発表した。  ニューイヤーフェスティバルは、2025年12...

チン首相、「2桁の経済成長率目標は十分実現可能」 (18日)

 ファム・ミン・チン首相は、16日に開かれた「ベトナム経済サミット2025」の全体会議で演説し、「ベトナムの2桁の経済成長率目標にはしっかりとした基盤があり、余地もあり、十分に実現可能だ」と断言した。 ...

故ホー主席の父グエン・シン・サックの墓、特別国家級遺跡に指定 (18日)

 南部メコンデルタ地方ドンタップ省カオライン街区にあるグエン・シン・サック遺跡区で16日、故ホー・チ・ミン主席の父親である故グエン・シン・サック氏の墓を特別国家級遺跡に指定する証明書の交付式と、同遺...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved