ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

1日中交差点に立つ日本人、ベトナム交通改善に余生捧げる

2014/10/26 07:23 JST配信
(C) Tuoi Tre, サイトウ・タカシさん
(C) Tuoi Tre, サイトウ・タカシさん 写真の拡大

 交差点で商売している女性は、叩きつけるような雨の日でも仕事を続ける彼に心底関心しつつ、面白そうにこう言った。「とても律儀な人でね、帰るときにいつも私や交通警察の人たちにきちんと挨拶して帰るんだよ」。ハン川近に立つことの多いダナン市交通警察のファン・クアン・ファップ中佐はこう語る。「彼の仕事に対する姿勢や責任感に、多くの人たちが感服していますよ」。

 サイトウさんは、41年にわたり日本の警察で交通に関する研究に専念してきた。彼の研究により生まれた構想が、東京や名古屋など日本の大都市で実施された。ハノイ市人民警察学院に招聘され、交通について教鞭をとったこともある。

 彼は、「ベトナムは交通事故が世界でも最も大きい国の一つ」と言う。統計によると、2013年におけるベトナム全国の交通事故発生件数は3万1300件。うち、死者数は9900人で、日本の2倍以上に上る。「日本では交通事故100件当たり、死亡事故は1件。これに比べてベトナムの交通事故による死亡者の割合は高すぎます。ベトナムでは事故が十分に記録されておらず、統計データの信頼性は低いですが、とにかく死亡事故の削減に取り組む必要があります。最も犠牲になっているのは歩行者です」と彼は言う。

 サイトウさんには一人娘と二人の孫がおり、悠々自適の老後を送ることもできたはずなのに、全てを投げ打ってベトナムのために自分の人生の最後を捧げている。彼の残りの人生に孫たちが学べるものを見出してくれれば、と考えているという。

 「ベトナム人は日本人にとても似ていて、フレンドリーで情が深く、誠実だと思います。遠くの地なのに、とても親しみを感じます。少しでもベトナムに貢献できることが私の願いです」とサイトウさん。彼の研究姿勢は、ベトナムの交通改善に繋がるだけでなく、多くのベトナム人の命を救うことになるだろう。

前へ   1   2   次へ
[Tan Vu, Truoi Tre, 12/10/2014 06:30 S].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
26年のGDP成長率目標+10%以上、経済社会発展計画 (15:02)

 ファム・ミン・チン首相は20日、第15期(2021年~2026年任期)国会第10回会議の開幕式で、2025年および2021~2025年の5か年の経済社会発展計画の実施結果の概要を報告し、2026年の計画の内容を発表した。計画では...

カントー:メコンデルタ地方初の日本式職業訓練校が開校 (14:03)

 南部メコンデルタ地方カントー市で18日、同地方で初となる日本式職業訓練校「日本技能専門学校(JPC)」が開校した。ベトナム人材を日本企業の採用ニーズに直結させる教育モデルとして、地域の人材育成と経済発展...

フエ:ディン副書記が市人民委員会主席に就任 (13:32)

 北中部地方フエ市人民評議会は17日、同市共産党委員会のファン・ティエン・ディン副書記を同市人民委員会主席(2021~2026年任期)に選出した。  ディン新主席は1971年生まれの54歳。出身地は旧トゥアティエ...

抗仏戦争の郵便配達員、地獄の10日間の記憶 (19日)

 電気ショック、水責め、足指潰しなどの拷問を10日間にわたり受け続け、体重が20kg減ったにもかかわらず、郵便配達員だったレ・バン・トゥーさんは一言も口を割らず、通信の「生命線」を守り抜いた。  トゥ...

建設省、カイメップ・ティバイ港でのクルーズ船受け入れを暫定許可 (13:23)

 建設省は17日、ホーチミン市のカイメップ・ティバイ港群におけるクルーズ船の受け入れを2026年6月30日まで暫定的に認めるとした。ベトナム海事水路局の提案に応じた形だ。  対象港湾には、◇ティバイ総合港...

ホーチミン市財務局と米ナスダック、国際金融センター開発で提携 (6:25)

 ホーチミン市財務局はこのほど、米証券取引所ナスダック(Nasdaq)との間で協力覚書(MOU)を締結した。同市におけるベトナム国際金融センターの開発を推進することが狙いだ。  調印式には、同市人民委員会のグ...

エースコック、フンイエン省に新工場を着工 投資総額126億円 (6:19)

 エースコックベトナム(Acecook Vietnam)はこのほど、北部紅河デルタ地方フンイエン省の第2タンロン工業団地内で新工場「タンロン工場」の着工式を開催した。同社にとって北部で3か所目、国内で14か所目の工場と...

6万人収容の国内最大スタジアムが着工、国内初の開閉式ドーム採用 (5:43)

 ベトナム公安省は、北部紅河デルタ地方フンイエン省で10月19日、PVFスタジアムの起工式を開催した。完成すれば、6万人収容の国内最大規模のスタジアムとなり、最新の開閉式ドーム技術や最先端のテクノロジーな...

7省・市の25~30年任期党委書記が決定、ハノイ市党委書記が再任 (5:02)

 ◇ハノイ市、◇西北部地方ディエンビエン省、◇北中部地方クアンチ省、◇同フエ市、◇南中部地方ダナン市、◇同ダクラク省、◇南部メコンデルタ地方カマウ省の7省・市の共産党委員会書記(2025~2030年任期)が決定した...

スズキの新型コンパクトCUV「フロンクス」、ベトナムで販売開始 (4:17)

 スズキ(SUZUKI)の新モデルとなるコンパクトクロスオーバー車(CUV)「フロンクス(Fronx)」が、ベトナム市場で17日に発売を開始した。インドネシアから完成車を輸入して販売する。スタイリッシュなクーペスタイル...

SANKO MF、ベトナムの合弁契約解消 参加資本譲渡 (3:45)

 飲食・小売事業や水産事業を手掛ける株式会社SANKO MARKETING FOODS(東京都中央区)は20日、ベトナムで日本食レストラン事業を展開するために締結した合弁契約を解消し、合弁会社であるアキコ・サービス・アンド...

山一商事と関東塩業、地場鋳造会社VIDPOLを買収 (2:08)

 産業廃棄物の収集・運搬や中間処理、最終処分などを手掛ける株式会社山一商事(東京都港区)と食品卸や代行仕入、物流を手掛ける関東塩業株式会社(埼玉県さいたま市)は、共同出資により、地場鋳造会社のVIDPOLキ...

第15期国会第10回会議が開幕、最終会期で49法案を審議 (20日)

 第15期(2021年~2026年任期)国会の最終会期となる第10回会議が20日に開幕した。会議は約40日間にわたって行われ、12月11日に閉幕する予定だ。  会期中には経済社会発展計画、国家予算、監査、その他の重要...

アップル、AI家電製品の新シリーズをベトナムで生産へ (20日)

 米アップル(Apple)は、人工知能(AI)を活用した新たな家電製品ラインの生産拠点としてベトナムを選択した。アップルは、◇屋内用セキュリティカメラ、◇AI統合型スマートホーム制御ディスプレイ、◇モーション対応...

ビンファスト、フランス海外領土でEV販売網拡大へ (20日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は16日、フランスのLORET Groupとの間で提携契約を結んだ

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved