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孤児院で運命の出会い、ハノイで人気のフランス菓子店を営む夫妻

2019/06/02 05:06 JST配信
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 家族旅行で北京や上海をはじめ中国の各地へ行った時の写真を懐かしそうに眺めるのは、ハノイ市タイホー区タインニエン(Thanh Nien)通りでフランス菓子店を営むグエン・ティ・タインさん(43歳)と夫のグエン・ミン・フーさん(46歳)だ。タインさんの幸せそうな笑顔からは、同店を開業するまでに彼女が経験した苦労を想像できる人はいないだろう。

 今から28年前のこと、ホアンキエム区ゴーバンソー(Ngo Van So)通り13番地にあるストリートチルドレンの保護施設「トーバンバオサーメ(To ban bao Xa me)」で、やせ細って浅黒い2人の子供が出会った。2人とも父親がおらず兄弟が多く貧しいという境遇で、それぞれ紅河デルタ地方ハナム省と同ビンフック省からハノイ市へ出てきた。

 タインさんは施設でいつも男の子たちの服を洗濯してあげていたのだが、その中の1人が今の夫のフーさんだった。タインさんより3つ年上のフーさんは、タインさんが施設に入った1年後にやって来た。タインさんとフーさんは意気投合して兄妹のような関係になったが、次第に互いに好意を持つようになり、2年後の1993年に施設を出て、翌年に結婚式を挙げた。

 長女を授かった時には施設の創設者夫妻のところへしばらく身を寄せた。その間にタインさんは家の門前で飲み物を売り、フーさんは新聞を売り歩いた。「タインとフーは、子供たちの中でもとても利口で努力を惜しまない子たちでした」と創設者のブー・ティ・ゴック・アインさんは当時を振り返る。

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