ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

女性が出稼ぎ、男性が子育てする村―別居婚の光と影

2020/02/23 05:12 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大

こうした海外への出稼ぎにより、村の姿が劇的に変わり、村には複数階建ての家屋が競うように建っていった。村や村落の役人も、貧しい人々や洪水の被害者に対する支援を求めるのにも苦労しなくなった。

 しかし、「全てのことには2つの側面があり、経済的な豊かさが弊害になることもあります」とドンタン村の幹部は話す。ドンタン村人民調査委員会のグエン・スアン・フオン副委員長によると、2019年には調停を要する家庭内トラブルが10件発生した。

 いずれも妻が海外へ出稼ぎに行っている家庭で、トラブルの原因は主に嫉妬や金銭問題だ。遠方へ仕事に行っている多くの女性が夫を信頼せず、夫でなく友人や親戚に仕送りする方法を選ぶ。

 しかし、妻たちの「イライラ」に正当性がないわけでもない。例えばビンニン村落では、妻が台湾へ出稼ぎに行っている間に夫は村の女性と親しくなり、2人で南部に移住してしまったというケースもある。他にも、妻が仕送りしたお金を夫は遊びに使い、ついには麻薬に手を出したというケースもある。

 結婚生活25年間のうち20年間は妻が出稼ぎに行っている、という夫婦も多い。家庭の幸せの崩壊を危惧し、フオン副委員長は自分の子供たちが故郷を離れる際は「2人一緒に」行かせた。フオン副委員長の息子3人はいずれも台湾で働いている、または働いたことがあるが、いずれも夫婦で行った。その代わり、フオンさん夫妻は故郷に残された6人の孫たちの面倒を見ることになった。

 「孫たちのために1日2食を用意するだけでもう他のことをする時間はとれませんでした。一番大変なのは孫たちが大暴れする休日でした」とフオン副委員長は顔をしかめた。しかし、子供たちが出稼ぎに行ったおかげで、2012年には2階建ての家が2つも建った。

 「今はもう末っ子のところの孫2人の面倒を見るだけです。上の2人はベトナムに帰国しました。何はともあれ、辞め時さえ知っていれば、海外へ出稼ぎに行くのは良いことです」とフオン副委員長は語った。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 01:41 07/02/2020, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
VTCインターコム、韓国のゲーム会社と提携 (5:06)

 韓国のゲームメーカーのネクサス(NEXUS)はこのほど、ゲームパブリッシングなどを手掛けるベトナムのVTCインターコム(VTC Intecom)との間で、覚書(MOU)を締結した。  これにより、VTCインターコムを通じて、...

ベカメックスIDCなど3社のJV、タイニン省で大型複合施設開発へ (5:01)

 ベカメックスIDC[BCM](Becamex IDC)とベトナムゴム工業グループ[GVR](Vietnam Rubber Group)、

トレックス・セミコンダクター、台湾企業に子会社の持分95%譲渡 (4:06)

 半導体デバイスの開発・設計・製造・販売を手掛けるトレックス・セミコンダクター株式会社(東京都中央区)は、半導体製品の世界的IDMメーカーである台湾のパンジット・インターナショナル(PANJIT INTERNATIONAL)...

ハノイ郊外の2つのトンネル、軍幹部をかくまった地下要塞 (16日)

 フランス軍との9年間におよぶ抗戦中、ハノイ市の旧ドンアイン郡ナムホン村(現在のフックティン村)と旧タインオアイ郡タムフン村(現在のタムフン村)の住民たちは、戦火から村を守り、また軍幹部をかくまいながら...

シリカゲル乾燥剤のマルアカ、ベトナム現地法人を設立 (3:30)

 石灰・シリカゲル・クレイ系乾燥剤の製造・販売を手掛ける株式会社マルアカ(岐阜県大垣市)は、同社100%出資のベトナム現地法人を8月25日付けで南部地方タイニン省に設立し、11月14日より営業を開始した。 ...

ホーチミン:国際建築・家具展示会、11月29日から開催 (2:08)

 ホーチミン市チュンミータイ街区(旧12区)のクアンチュンソフトウェアパークにあるスカイエキスポベトナム(Sky Expo Vietnam:duong So 1, Cong vien Phan mem Quang Trung, phuong Trung My Tay, TP. Ho Chi Mi...

25年10月新車販売台数統計、ビンファスト12か月連続首位 (18日)

 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年10月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせた新車販売台数(TCモーターおよびビンファスト=VinFast含まず)は前月比+24%増、前年同月比では▲2%減の3...

バクニン省など4省、新人民委主席が就任 (18日)

 各地方自治体での人事異動により、◇北部紅河デルタ地方バクニン省、◇西北部地方ライチャウ省、◇北中部地方クアンチ省、◇南部メコンデルタ地方カマウ省の人民委員会主席が交代となった。  新主席に就任した4...

ホーチミンとドンナイ省を結ぶ橋3本、28年完成目指す (18日)

 東南部地方ドンナイ省人民評議会は、ホーチミン市と同省を結ぶ橋3本の建設計画について、担当当局を決定する決議を承認した。第2フーミー橋はホーチミン市人民委員会が、カットライ橋とロンフン橋(第2ドンナイ...

バックホアサイン、ニンビン省に食品スーパー開業で北部進出 (18日)

 携帯電話小売・家電小売の最大手で、ミニスーパー事業も拡大中のテーゾイジードン投資[MWG](Mobile World Investment Corporation)は、11月末に北部紅河デルタ地方ニンビン省に食品

訪越の神奈川県知事、ラム書記長と会談 (18日)

 神奈川県の黒岩祐治知事は、11日から17日までの日程でベトナムを訪問した。15日には、ハノイ市のベトナム共産党本部でトー・ラム書記長と会談した。  ラム書記長が地方自治体の長と公式の2者会談を行うのは...

湘南鎌倉総合病院、ベトナム国立がん病院と協力覚書を締結 (18日)

 医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院は14日、ベトナムの国立がん病院(K病院)との間で、医療分野および人材育成に関する協力覚書を締結した。  覚書は、ベトナム最大のがん専門病院であるK病院と、日本最大の民...

トーホー、地場食品卸売会社コメ88の株式取得 ベトナム初進出 (18日)

 業務用食品の仕入・調達・開発などを手掛ける株式会社トーホー(兵庫県神戸市)は、ベトナムで外食産業・量販店向けに食品卸売を行うコメ88(Kome88、ホーチミン市)の発行済株式を取得し、コメ88を持分法適用関連...

国会、26年国家予算案を採択 財政赤字対GDP比4.2% (18日)

 国会は13日、2026年の国家予算案に関する決議を賛成多数で採択した。2026年の国家予算の主な指標は以下の通り。 ◇歳入:2529兆4670億VND(約14兆7922億円)     中央政府の歳入:1225兆3560億VND(約7兆16...

ホンダ、ベトナムでの二輪車通年販売台数が20万台減少の見通し (18日)

 ホンダはこのほど、2026年3月期第2四半期(中間期)の決算関連資料を発表した。2026年3月期第2四半期累計(2025年4〜9月)の連結業績は、売上収益が前年同期比▲1.5%減の10兆6326億円、営業利益は同▲41.0%減の...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved