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四肢を切断した女性、家族と歩む新たな人生

2020/06/14 05:57 JST配信
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 それでも夜になるとタイさんは妻のところへ帰った。自宅に着くのが朝の4時になることも少なくなかった。タイさんはめったに甘い言葉をささやかないが、妻には自分の行動からいつも気にかけていることをわかって欲しいと望んでいた。

 退院してから1か月後、手術した切断部の包帯が外れ、タムさんは携帯電話を操作することができるようになった。以来、タムさんと息子は「同じ発達段階」に入った。

 息子が寝返りを覚えると、母親であるタムさんも一緒に寝返りを練習した。タムさんは徐々に起き上がることができるようになり、小さな子供のように1つずつ練習し、できることを増やしていった。4月末、タムさんは腿を使って座り、両腕で息子の頭をはさんであやす動画を撮った。息子はけらけらと笑っていた。

 5月上旬になると、タムさんはオンラインビジネスを始めた。動画の中でタムさんは、健康食品などの商品の箱を両腕で胸の前に掲げ、視聴者に向かって笑顔で紹介した。多くの人は、タムさんがほんの3か月前まで寝たきりだったなんて信じられなかった。

 タムさんは自分の新しい姿をさらすことにも尻込みせず、時にユーモラスに「2年前は、髪の毛を短くしたい、二の腕を細くしたい、足を小さくしたい、顔を小さくしたい…色々望んだけれど、今は全部実現できたわ」と自分をからかった。

 そして、タムさんは電動車椅子のおかげで移動もできるようになった。毎日タムさんが電動車椅子に乗ると、息子も一緒によじ登り、タムさんの背中にくっついて遊んだ。

 今、タムさんはシャワーを浴びたり着替えをするときだけは家族の助けが必要だが、自分で食べたり飲んだり、移動したりできるようになった。さらにオンラインビジネスで月に約100万VND(約4600円)を稼ぎ、息子にお菓子を買ってあげることもできるようになった。

 「息子のおかげで、普通の人と同じように楽しく暮らそうと決心できました」とタムさんは笑う。

 タイさんも安心し、今はより多くの時間を仕事に費やしている。今から4か月前、タイさんは携帯電話用アクセサリー販売店を新たに2店舗オープンし、同時に多くの他店の代理店も務めている。一家の経済状況も、タムさんが入院していたころのような苦しさはなくなった。

 今、タムさん夫婦は、成長する我が子とともに元気に過ごせることだけを願っている。

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