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自閉症の少年画家たちの夢、絵画で人生を彩る

2022/05/22 10:21 JST配信
(C) vnexpress
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2020年3月末、政府の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染防止対策を支援するための絵画オークションが行われ、ロンさんは「トーヒエンタイン通り39番地の家」というタイトルの絵を出展した。

 オークションの末に、アクリル絵具で描かれたロンさんの作品は匿名で2500万VND(約13万8000円)の値で落札された。ヒエウさんはその金額の半分をベトナム祖国戦線の口座に振り込み、残りはロンさんの骨移植手術の費用に充てた。

 2021年6月、ロンさんは3度目の手術を受け、手術後は以前のような疲労感を感じることなく自分1人で歩くことができるようになった。

 現在、中央芸術師範専門学校の聴覚障がい学部8年生になったロンさんは、すでに完成している150作品を展示する自身の個展を開くことを夢見ている。ロンさんの好きな絵画のテーマは建築で、中でもハノイ市旧市街の絵を描くことに熱意を持っている。

 「将来は画家になって、母の助けになれるようたくさんお金を稼ぎたいです」とロンさんは手話を使って説明してくれた。



 ロンさんと同様に、ベトナムと韓国のハーフで自閉症児であるリー・グエン・セへさんもまた、ベトナム国内の絵画コンクールで多くの賞を受賞している。

 セヘさんは生後20か月の時、ただ前に走り続けることが好きで他には何も関心を示さず、アイコンタクトも取らないことから自閉症が発覚した。セヘさんが自閉症と診断されてから、母親のアイン・バンさんは息子に寄り添ってサポートを続けている。

 6か月間にわたり専門の支援センターに通ったもののセヘさんの状況は進展せず、泣き続ける日々だった。そんな中、他の子供たちと交流させる目的で、バンさんはセヘさんを普通の幼稚園に通わせることにした。

 午前中は幼稚園に行き、午後は支援センターに行き、夜は先生の家で個別指導を受けた。毎日それぞれの時間に間に合わせるのに忙しく、バンさん親子は家に帰って食事をする代わりに、いつも持参した夕飯を路上で食べていた。

 セヘさんは話すことができず、簡単な概念の区別もできなかったため、バンさんは自身で独自の指導方法を探し、言葉の反義語を判別できるよう視覚化して教えた。例えば、「ある」、「ない」という言葉を教えるために、物を目の前に置いて見せてから隠すという方法を取った。

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