![]() (C) T.Sasaki |
店先の木陰に椅子やテーブルを配置した雰囲気の良いベトナム料理店があったので、お手並みを拝見することとした。落ち着いた雰囲気の店内では、来店客の大半を占める年配のドイツ人客が、慣れない箸でベトナム料理を楽しんでいる。ドイツにはトルコからの移民が多く、通りにはケバブ店が軒を連ねる。ドイツ人がケバブを食べている様子も見られ、日常的な食べ物として定着している様子だ。果たしてベトナム料理は現地で需要があるのか、最初はいまひとつ見えない部分があったが、この店のにぎわいを見る限りは結構親しまれているのだと思われる。
雰囲気の良さで年配のドイツ人からも人気のベトナムレストラン
落ち着いた雰囲気のレストラン内部
この日は後に予定が入っていて時間的に余裕がなかったため、炒めフォー(Pho xao)と、サケののり巻きを持ち帰りで注文。用を済ませた数時間後に食べてみたが、ここで後悔してしまった。
冷めても味わいが良く食べ応えがあったので、やはりレストランでできたてを楽しむべきだったとつい悔やんでしまった。炒めフォーは、ズッキーニやルッコラなど現地で入手しやすい野菜と牛肉がたっぷり入った、甘めの味わい。醤油を少しずつ足しながら食べるとちょうどいい。のり巻きは、巻き具合がやや緩かったが、サケが新鮮で柔らかく、ご飯の炊き具合もちょうどよかった。
ちょっと変わった組み合わせ。サケののり巻きと炒めフォー
考えてみると、街でベトナム料理店をよく見かけるということは、それだけ店同士の競争も激しいということ。その中を生き抜く店の料理人には、ベトナム料理でもすしでも器用にこなす力量が求められるのかもしれない。
次ページ→ベルリンのドンスアン