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ラオスでもカンボジアでも、多くの遺骨は、かつて駐屯地だった洞窟の中で見つかる。朝から夕方まで掘っても数個の岩しかひっくり返せない日もある。爆撃の後に積み重なった、トラックほどの大きさの岩もあり、それを動かすには、脇に深い穴を掘り、岩の支点を見つけて穴に落とし込まなければならない。
多くの洞窟では、戦争の痕跡がまだ手つかずのまま残っている。崖の奥深くまで貫通した弾痕、山の裂け目に突き刺さった爆弾の破片もある。さらに、爆弾によって洞窟の入り口が崩落し、何十tもの岩の塊が入り口を塞いでいる場所もある。
山の中腹には、地上から70mを超える高さにも洞窟がある。そこへ到達するために、兵士たちはネズミの巣のような小さなトンネルを少しずつ掘って潜り込まなければならない。頭上にはひび割れた岩が連なり、強い振動が一度でもあれば崩れ落ちるかもしれない。
「チームが洞窟に入って捜索する際は、1人の兵士が必ず外に立って観察しています。岩が動くのを発見したらすぐに声を上げ、仲間に退避するよう知らせるんです」と、ビン大佐は語る。
大きな岩の下に遺骨が残っていることが確実であっても、チームには接近する手段がないケースも少なくない。爆薬を使って岩を破壊すれば、山全体が崩れ落ちる可能性がある。兵士たちは、ただ洞窟の入り口で立ち尽くし、無力さを感じるしかない。
こうした過酷さや危険にもかかわらず、長年にわたり、第589部隊とK73部隊の歴代の兵士たちは、先人たちの遺骨が異国の地のどこかにまだ眠っているという信念を持ち、根気強く捜索を続けてきた。
しかしながら、年を追うごとに、捜索の緊急性は高まっている。なぜなら、彼らにとって最も恐ろしいのは「時間」だからだ。「かつて戦場を経験した70歳を超える証言者たちの記憶が、唯一の手がかりなんです」と、ビン大佐は語る。
証言者が、犠牲になったベトナム兵を約80cmの深さに埋葬したと断言するケースもある。しかし、チームが2m以上の深さまで掘っても手がかりは何も見つからない。
チーム全体がしらみつぶしに掘る方法に切り替え、長さ3m、間隔40cm、深さ2m近くの溝をいくつも掘り、土の層を徐々に取り除いても、それでも何も見つからない。2か月にわたる過酷な作業の末、チームは追加の確認を待つため、やむを得ず別の場所に移動することになる。
「そういった捜索は少なくありません。希望を胸に抱き、必死で作業を進めても、遺骨はなかなか見つからないんです」とビン大佐は話す。
山腹を指差して、「当時、ベトナム兵はそこに埋められた」と言う住民もいるが、「そこ」とは数千m2もの広さの丘陵全体だ。半世紀以上が経過し、地形は変わり、土砂崩れや浸食が起こり、森の木々が覆い茂り、小川の流れも変わった。戦争の痕跡は、時間によってほとんど消し去られてしまっている。かつての兵士たちがどこに眠っているのか、誰にも分からない。
「時間が、最後の証言者たちを奪い去っていくんです」とビン大佐は悲しげに語る。
後編に続く(2026年8月9日配信予定)
・ 戦死から58年、烈士が婚約者のもとへ「帰還」 遺骨発見で身元確認 (2026/07/29)
・ 地中に眠る烈士の身元を特定、遺骨DNA鑑定の最前線 (2026/07/26)
・ 婚約者の戦死から58年、80歳女性を「烈士の妻」に認定 (2026/07/21)
・ 戦死者の遺影を無料で復元・デジタル化、ホーチミン市が展開 (2026/07/18)
・ ホーチミン:公園で烈士遺骨1000柱を捜索へ、地中レーダー活用 (2026/06/12)
・ 半世紀の時を超え、古びた水筒が導いた兵士の帰郷 (2026/05/10)
・ 戦死者の遺骨捜索・収集・身元確認プロジェクト、500日間集中実施 (2026/03/31)
・ 戦死した夫が妻に残した10枚の手紙、半世紀経て映画に登場 (2026/03/29)

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