ネム・トゥオン(Ném Thượng)村落では、毎年旧正月の6日に、豚を生贄として捧げる祭りが行われる。これは、李朝の時代にこの地方を開拓したリー・ドアン・トゥオン(Lý Đoàn Thượng)将軍とその部下達が、生き延びるためにイノシシを殺して食べたという言い伝えに由来している。生贄となる2頭の豚はそれぞれ檻に入れられ、村人たちの祭行列に運ばれて村落中をまわった後、多くの人々が集まる広場で屠殺される。この地方では生贄の豚の血は無病息災や豊作の象徴であると信じられているため、村人たちは競って豚の血に群がり、幸運を祈る。またその肉は、村落の繁栄を祈念しつつ、住民に配られる。