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ベトナム経済を振り返る:対外収支編 2022年版

2023/01/20 04:26 JST配信
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マクロ経済:対外収支

 外資誘致、堅調な輸出活動、そして在外ベトナム人(越僑や海外派遣労働者など)からの本国送金は揃ってベトナムの総合収支に大きく貢献している。

 2022年の海外直接投資(FDI)認可額(推定値)は前年比▲11.0%減の277億1813万USDに減少したが、実行額(推定値)は同+13.5%増の223億9600万USDへと順調に伸びた(計画投資省傘下の海外投資局=FIAデータ)。

 また、堅調な輸出活動がけん引し、貿易収支は2016年~2022年に7年連続で黒字を計上、総合収支に大きく貢献した。中でも、2020の貿易収支は200億USDの黒字となり、黒字が続く直近7年間で最高だった。なお、2022年の貿易収支も112億USDと多額の黒字となっており、輸出総額の3.0%に相当する。

 2022年の輸出総額は前年比+10.6%増の3719億USDへと順調に伸びた。一方、同年の輸入総額は同+8.4%増の3607億USDに増加した。同年の輸出額対GDP比率は92%に達しており、地域で最も輸出依存度の高い国の1つとなっている。

 この背景として、政府がFDI誘致や輸出志向工業政策を継続的に推進していることが挙げられる。事実、輸出総額をセクター別でみてみると、外資セクターの輸出額は同+12.1%増の2768億USDで、全体の74%と圧倒的な割合を占め、輸出総額の成長をけん引した。主力輸出製品は、携帯電話・部品がトップ、続いて、◇コンピューター・電子製品・部品、◇機械・設備・部品、◇衣料・織物、◇履物、◇木材・木工品、◇車両・部品などとなっている。

 ベトナムの輸出において韓国の財閥企業であるサムスングループの存在感が高く、同社のベトナム事業全体の売上高はベトナムのGDPの2割、輸出額もベトナムの輸出額の2割に寄与している。ベトナム製のサムスンブランドのスマートフォンは世界100か国・地域以上に輸出されており、全世界の同ブランドスマートフォンのうち、半分がベトナムで製造されている。

 2022年における在外ベトナム人からの本国送金額は190億USDだったと推定される。2000年から2022年までの期間における本国送金額の累積額は2081億USD、年平均額は90億USDとなっている。リーマンショックの影響を受けた2008年と新型コロナが発生した時期を除き、本国送金額は同期間にほぼ増加の一途を辿った。

 この背景には、ベトナムは大量の在外ベトナム人を抱えていることがある。ベトナムでは、第一次インドシナ戦争とベトナム戦争が相次いで発生し、ベトナム戦争後も体制反対や貧困回避のボートピープルなどの海外脱出が1980年後半まで続いたという歴史的な背景があり、米国やオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツなどを中心に世界130か国・地域以上に約530万人もの越僑が居住している。また、ベトナム政府は貧困対策の国策として1990年代から海外への労働者派遣を強化しており、海外に出稼ぎしているベトナム人の数は約58万人に上っている(2021年末)。主な派遣先として、台湾や日本、韓国、中国などが挙げられる。

 中央銀行はこれを踏まえ、外貨を継続的に買い入れ、2021年末時点で外貨準備高を史上最高水準となる1094億USDにまで積み上げた。これは、2010年時点の8.8倍、2015年時点の3.9倍に相当した。

 しかし、米国での高インフレを背景とした米国連邦準備制度理事会(FRB)による利上げの実施を受け、中央銀行は国内通貨を安定化させるべく、2022年中にドン買い・米ドル売りの為替介入を継続的に行った。中央銀行によるドン買い・米ドル売りの為替介入によって、2022年11月時点の外貨準備高は2021年末に比べて▲224億USD減の870億USDに減少したと推定されるが、まだ健全な範囲内だとみられている。



(本記事は、「ベトナム株・経済情報」に掲載している「ベトナムのマクロ経済と金融市場」を項目ごとに配信するものです。)

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