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金融市場:商業銀行セクター
1990年代までは、金庫・たんす預金と現金決済が中心であったベトナムが、2000年代に入ってから商業銀行の近代化により、企業間取引が商業銀行経由に移行し、2000年代半ば以降与信取引が高成長したことにより、民間企業セクターの高成長を支えてきたことは大いに評価される。
ベトナムの商業銀行の預金・融資の規模は2000年代半ばから急速な成長をみせた。貸付成長率の推移を示したチャートのとおり、2001年から2021年までの間における年平均貸付成長率は22%に達し、ベトナムの経済成長に大いに貢献している。
金融機関は2022年、中央銀行の指導のもと、製造や農業、輸出加工、中小企業、裾野産業、ハイテクなどの優先分野向けの融資を強化し、不動産向け融資を抑制した。2022年末時点の貸付成長率が前年末比+14.5%となり、中央銀行が実施した柔軟な金融政策運営と、その他のマクロ経済政策との組み合わせにより、マクロ経済や外為市場が概ね安定し、金融機関の資金流動性も確保された。
(本記事は、「ベトナム株・経済情報」に掲載している「ベトナムのマクロ経済と金融市場」を項目ごとに配信するものです。)