ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ネトフリ、中国ドラマ「Flight to You」をベトナムで配信停止 「九段線」の地図で

2023/07/11 14:44 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大.

 映像ストリーミングサービス「ネットフリックス(Netflix)」は10日、ベトナム当局からの要請を受けて、中国ドラマ「向风而行(英題:Flight to You)」のベトナムでの配信を停止した。

 ドラマは全39話で、このうち第18話と第19話、第21話、第24話、第25話、第26話、第27話、第30話、第38話に、中国が南シナ海全域の領有権を主張するため地図上に引いている破線「九段線(牛舌線)」が映っているシーンがあった。

 これを受けて、文化スポーツ観光省傘下の映画局は同ドラマを配信しているネットフリックスとFPTプレイ(FPT Play)に対し、同ドラマの配信停止を要請していた。FPTプレイも9日夜までに配信を停止している。

 中国は地図上に「九段線」と呼ばれる破線を引き、南シナ海ほぼ全域の領有権を主張している。九段線は、U字線または牛舌線とも呼ばれ、ベトナムの領海を含めた南シナ海全域を囲んでいる。

 映画局によると、ベトナムの法律に反する内容を含むオンラインコンテンツの監視に多数の要員を割り当てているが、コンテンツの数が多いため困難に直面しているという。

 なお、2019年10月には、米中合作のアニメーション映画「アボミナブル(Abominable)」の劇中に「九段線」が映り込んでいたため、公開からわずか10日後に上映中止が決まった。これを受けて、文化スポーツ観光省は配給を担当したCGVに1億7000万VND(約100万円)の罰金を科した。また、映画局の一部の職員も処分を受けた。

 2020年7月には、同じく「九段線」が問題となり、中国ドラマ「あったかいロマンス(Put Your Head on My Shoulder)」で該当のシーンがカットされた。2020年8月にも米国ドラマ「マダム・セクレタリー(Madam Secretary)」が同様の違反で処分を受けている。

 2021年7月には、オーストラリアのテレビドラマシリーズ「パイン・ギャップ-諜報機関実録-(Pine Gap)」も、第2話と第3話に「九段線」が描かれた地図が映り込んでいたため、映像ストリーミングサービス「ネットフリックス(Netflix)」が配信を停止した。

 さらに2022年3月、「九段線」が劇中のシーンに映っているとして、米国のアクション映画「アンチャーテッド(Uncharted)」もベトナム公開前に上映中止が決まった。

 直近では、7月21日にベトナムで公開予定だった米国のロマンティック・コメディ映画「バービー」が、同じく「九段線」が劇中のシーンに映っているとして、上映禁止となった。このほか、韓国の4人組ガールズグループであるBLACKPINK(ブラックピンク)のワールドツアー「WORLD TOUR [BORN PINK]」のベトナム公演を主催するiMeのウェブサイトにも「九段線」が引かれた画像が掲載されているとして炎上し、iMeが謝罪した。

【関連記事】

「イカゲーム」シーズン2、登場人物がベトナム戦争賛美で批判殺到 (2024/12/30)
ネトフリ、テレビ番組の配信停止 ベトナム当局の指示で (2024/12/24)
配車アプリ「マキシム」、ホアンサ諸島・チュオンサ諸島欠如の地図を使用 (2023/09/13)
BLACKPINKベトナム公演の主催者、サイトに「九段線」で炎上 (2023/07/07)
映画「バービー」、ベトナムの領有権侵害で上映禁止に (2023/07/03)
ベトナムで配信停止の韓国ドラマ「シスターズ」、制作会社が謝罪 歴史歪曲で (2022/10/11)
ネトフリ韓国ドラマ「シスターズ」、ベトナムで配信停止 歴史歪曲で (2022/10/06)
韓国映画「犯罪都市2」、ベトナムで上映中止に 暴力シーン多数で (2022/07/11)

[VnExpress 14:46 10/07/2023, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
信頼性の高い輸送企業、ジェマディプトがロジスティクス部門1位 (14:01)

 ベトナム評価レポート社(ベトナムレポート=Vietnam Report)は11日、2025年の信頼性の高いロジスティクス・輸送企業トップ10を発表した。ロジスティクス部門では、ジェマディプト港湾海

ベトナムと中国、国境ゲートでの貨物双方向輸送の試行開始 (13:49)

 ベトナムと中国の両国当局は10日、国境ゲートを通じた貨物の双方向輸送方式の試行を開始した。期間は2026年12月9日までの1年間となっている。試行は、以下の3つの国境ゲートの専用道路および通関レーンで実施す...

年間外国人観光客2000万人を初達成、フーコック空港でセレモニー (13:36)

 ベトナム国家観光局によると、フーコック国際空港(南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック島)で12月中旬に、年間外国人観光客2000万人達成を祝した記念式典が催される。  2025年はベトナム観光業の65年...

湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (14日)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

韓国コーロン、ホーチミンにエアバッグ素材工場を設立へ (13:25)

 韓国化学素材大手のコーロンインダストリー(Kolon Industries)はこのほど、自動車安全システムを提供するスウェーデンのオートリブ(Autoliv)との間で、エアバッグ用素材供給に向けた契約を締結した。  両社...

ドンナイ省:国内初のLNG火力発電所が落成、投資総額14億USD (6:38)

 ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)と子会社のPVパワー[POW](PV Power)は14日、東南部地方ドンナイ省で第3ニョンチャック液化天然ガス(LNG)火力発電所および第4ニョンチャ

ハノイ:大気汚染深刻化で空気清浄機の需要増、日本製中古品も人気 (6:19)

 ハノイ市で大気汚染が深刻化している中、多くの家庭が健康を守るため空気清浄機を買い求める動きが強まっている。市内の家電量販店では需要が急増しており、特に子どもや呼吸器疾患の患者を抱える家庭からの需...

ハノイ:13.5万人収容の巨大スタジアム建設へ、世界2番目の規模 (5:33)

 ハノイ市トゥオンティン村人民委員会は現在、地場系コングロマリットのビングループ[VIC](Vingroup)が提案したオリンピックスポーツ都市区エリアBの詳細計画(縮尺500分の1)について

日本映画祭2025、ベトナム4都市で開催 日本映画10作品を上映 (5:15)

 国際交流基金ベトナム日本文化交流センターは、ハノイ市、北部紅河デルタ地方ハイフォン市、ホーチミン市、南中部地方ダナン市のベトナム4都市で、12月12日(金)から2026年1月25日(日)にかけて「日本映画祭(Japa...

ハノイ:交差点にAIカメラ1800台を設置、交通違反を自動検出 (4:14)

 ハノイ市交通管制センターは13日に運用が開始され、人工知能(AI)を搭載した監視カメラシステムによる交通違反の自動検出の本格導入がスタートした。  同市警察は交通管制センターについて、法令を遵守して...

日本の製造業の有望事業展開先、ベトナムは3位に後退 (4:12)

 国際協力銀行(JBIC、東京都千代田区)が発表した日本の製造業企業の海外事業展開の動向に関するアンケート調査結果によると、今後3年程度の中期的な有望事業展開先国・地域のランキングで、ベトナムは3位となっ...

FPTと三島光産、AI活用した次世代製造基盤構築の協業で合意 (3:00)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は、日本法人のFPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)の子会社であるFPTソフトウェアジャパン株式会社(東京都港区)を

日創グループ、ひまわり設計ベトナムを子会社化へ (2:35)

 金属加工や化成品、建設などの事業を手掛ける日創グループ株式会社(福岡県福岡市)は、ベトナムで建築建材などの作図・設計を行うひまわり設計ベトナム(HIMAWARI SEKKEI VIETNAM、ハノイ市)の全持分を取得し、子...

外国人の身分証明書不携帯に罰金 超過滞在の罰金大幅引き上げも (15日)

 家庭内暴力の防止や社会秩序の維持に関する行政罰を定めた政令第282号/2025/ND-CP(12月15日施行)では、ベトナムに滞在する外国人の出入国、居住、移動に関する行政処分が規定されている。  同政令の第21条...

イオンエンターテイメント、「イオンシネマ」ベトナム1号店を開業 (15日)

 日本全国に「イオンシネマ」98劇場を運営するイオンエンターテイメント株式会社(東京都港区)は7日、ベトナム1号店となる「イオンベータ・ビンコムスマートシティ(AEON BETA Vincom Smart City)」を、ハノイ市の...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved