海外から送られ、テト(旧正月/ 1月29日)前に配達されているはずのEMS郵便物700個以上が、今なおホーチミン市のEMS倉庫に眠っている。
アメリカの家族から、年末年始の贈り物を待つEMS利用客は、待てども待てども届かない荷物に業を煮やし、郵便局のEMS窓口に問い合わせの電話をかけたところ、たらい回しにされた挙句、「送り状の通し番号が分からなければ荷物の状態は分かりません。」と突き返されたという。通し番号を入手して再度電話したが結局EMS窓口の返事は「倉庫責任者に電話してください」という冷たい返事のみだった。自らの荷物の消息をたどるため、中央郵便局国際係にも電話をし、郵便局側が把握しておくべき書類ナンバーを自力で入手、最終的にはEMS担当幹部に陳情しやっと荷物を受け取ることができた。
EMSサービスを使うにはコツがいるんだよ、と、10年程前からEMSを頻繁に利用している同市の着物生産会社の社員は苦笑する。この会社では、日本から荷物が送られる度、送り状の通し番号はもちろん郵便局の書類ナンバーも先回りして入手、外資の宅配便会社に比べ、安かろう悪かろうのEMSとうまく付き合うには、これが一番の方法なのだそうだ。
EMS窓口側によると、この700個以上のEMS郵便物は中身の価格が100万ドン(約7000円)以下のものは今後順じ発送するが、それ以外は関税額を受取客に通知しなくてはならず、時間がかかるので、遅延にクレームを申し立てた客のEMS郵便物から優先して受け渡しする方針だという。