ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

華人系不動産大手と銀行での違反事件、香港の実業家がソリューション提案か

2024/04/04 17:49 JST配信
(C) vietnamnet
(C) vietnamnet 写真の拡大
  • 3月上旬から一連の事件の裁判続く
  • 資産の包括的なソリューションを提案
  • 領事認証なく弁護側の論拠とはみなせず

華人系不動産大手VTPグループ(Van Thinh Phat Group)の違法社債発行や、VTPと密接なコネクションがあるサイゴン商業銀行(SCB)による銀行業務違反など一連の事件の裁判が3月上旬から続いている。

 こうした中、VTP会長のチュオン・ミー・ラン被告(女・68歳)の弁護士らは1日、香港最大の企業グループである長江実業集団傘下のCKアセット・ホールディングス(CK Asset Holdings)のジャスティン・チウ(Justin Chiu)最高経営責任者(CEO)が、ホーチミン市人民裁判所に書簡を送付し、SCB関連資産の包括的なソリューションを提案したことを明らかにした。

 弁護士らによると、チウCEOとラン被告は2022年4月13日、ホーチミン市人民委員会とのワーキングセッションを行い、CKアセット・ホールディングスの同市への投資意向を表明した。

 ラン被告の逮捕後、チウCEOは同市人民裁判所に書簡を送付し、ラン被告に対する好意的な態度を表明すると共に、SCB関連資産の包括的なソリューションを提案したという。

 裁判所はこの書簡について、「領事認証を取得していないため、弁護側の論拠の一部とはみなせない」とし、ラン被告の弁護士らに対し、報道機関による誤解を招かないよう書簡について触れないよう求めた。

 なお、同事件は、ラン被告が、経営支配権を掌握していたSCBを介して国民や企業から資金を調達し、不動産投資などの名目でSCBにVTP系列企業向けの違法融資を行わせ、同行に多額の被害をもたらしたというもの。

 ラン被告は2011年、◇SCB、◇ティンギアバンク(Tin Nghia Bank) 、◇フィコムバンク(Ficombank)が統合する形で誕生した新生SCBの経営支配権を掌握。SCBの資本金は2012年1月1日時点の10兆VND(約610億円)から15兆VND(約920億円)に引き上げられた。

 ラン被告は逮捕までに複数の個人・企業の名義を介してSCB株85.0~91.5%を保有。SCBの経営には直接参加していなかったが、側近らがSCBの要職を務めていた。残るSCB株は小口株主約4000人が保有していた。

 VTPは国内外にペーパーカンパニーを設立する形で1000社以上の系列企業を保有し、ラン被告の指示のもと、SCBは担保資産を審査せずにVTP系列企業に違法融資を繰り返し実施した。結果、VTP系列企業は債務不履行となり、SCBは多額の不良債権を抱えることになった。

 検察側によると、融資金や利息などを含め、被告らによってSCBが負うことになった担保資産相殺後の被害総額は498兆VND(約3兆0400億円)に上る。ラン被告は死刑を求刑されており、ラン被告の夫で中国(香港)国籍のチュー・ナップ・キー・エリック(Chu Nap Kee Eric)被告は禁固11~12年、ラン被告の姪で養女でもあるチュオン・フエ・バン被告は禁固19~20年の求刑となっている。

[Vietnamnet 10:20 02/04/2024 / Thanh Nien 11:27 02/04/2024 / Dan Tri 10:30 02/04/2024, A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
時代とともに消えゆくビンロウジ、商売上がったり (29日)

 「最近じゃビンロウジ(檳榔子、ヤシ科植物ビンロウ(檳榔)の種子)に関心を持つ人はほとんどいなくなった。結婚式用に買う人も少なくなって、嗜む人はほとんどいなくなった。好きで仕事を続けているけれど、商売...

メトロ1号線、元兵士や外交機関の代表者を乗せて試運転 (29日)

 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)管理委員会(MAUR)は、間もなく南部解放記念日(4月30日)とディエンビエンフー戦勝記念日(5月7日)を迎えるにあたり、4月26日に、同市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティ...

プラ製品の天馬、新工場建設でクアンニン省から投資登録証明書取得 (29日)

 プラスチック製品の製造・販売を手掛ける天馬株式会社(東京都北区)は、同社連結子会社である天馬ベトナム(TENMA VIETNAM)が東北部地方クアンニン省に第2工場を建設する件で、15日付けでクアンニン省から投資登...

ホーチミンの街並みに残る路上床屋の文化 (28日)

 ホーチミン市には、人生の半分以上の時間を他人の顔や頭髪を美しく整えることに費やしてきた人々がいる。路上床屋には、看板もなければ最新の備品もなく、使い古された革張りの肘掛け椅子と、古びた鏡、そして...

中古車・建機の解体業で豊かになった村 (27日)

 北部紅河デルタ地方ビンフック省イエンラック郡テーロー村(xa Te Lo, huyen Yen Lac)は、自動車や建設機械の解体業で豊かになった村として知られる。  この村で、中古の自動車やバイク、建機などを買い取り...

フエ:故チン・コン・ソンの名前を冠した学校が開校 (27日)

 北中部地方トゥアティエン・フエ省ナムドン郡人民委員会は24日、国民的音楽家である故チン・コン・ソン(Trinh Cong Son)氏の名前を冠した学校の開校式を開催した。式典にはソン氏の遺族や友人らが参加した。 ...

ホーチミン:市内初の「電子街」が10区に誕生 (27日)

 ホーチミン市10区7街区人民委員会は25日、市内初となる「ニャットタオ電子街(pho chuyen doanh dien tu Nhat Tao)」のお披露目式典を開催した。  電子街は、ニャットタオ(Nhat Tao)通り、ビンビエン(Vinh V...

ベトナム共産党、序列4位の国会議長を解任 首脳部解任相次ぎ異例の事態 (26日)

 ベトナム共産党中央執行委員会は26日に臨時会議を開き、本人からの希望を受けて、ブオン・ディン・フエ氏の政治局員・党中央執行委員・国会議長としての職を解任することを決定した。  中央執行委員会は解...

アップル製品の生産拠点数、ベトナムが世界4位 東南ア最多 (26日)

 米アップル社(Apple)がサプライチェーンの多様化に注力している中、依然として中国が同社最大の生産拠点となっているが、ベトナムでも生産拠点数が大幅に増えており、主要生産拠点の1つになっていることが同社...

中国、南シナ海で3か月間の漁獲禁止を発表 ベトナム外務省が抗議 (26日)

 中国は、5月1日から約3か月間にわたり南シナ海での漁獲を禁止すると発表した。漁獲禁止が適用される範囲には、ベトナムが領有権を主張する南シナ海のホアンサ諸島(英名:パラセル諸島、中国名:西沙諸島)周辺海...

ハノイ:行政区再編計画を承認、ホアンキエム区の合併なし (26日)

 ハノイ市人民委員会は25日、2023~2025年の行政区再編計画を承認した。これにより、ホアンキエム区の合併はせず、郡レベル(郡・区・町=thi xa)の行政区の数を現在の30で据え置くことで一致した。  計画に...

授業料返還渋る英語学校エーパックス運営会社に56万円の罰金処分 (26日)

 国家証券委員会(SSC)は、情報公開規定に違反したとして、英語学校「エーパックス・リーダーズ(Apax Leaders)」を運営するエーパックス投資ホールディングス[IBC](Apax Holdings)に9

双日、地場SaaS企業のフィンベトに出資 (26日)

 双日株式会社(東京都千代田区)は、ベトナムで主流となっている家族経営を中心とした小規模小売店の受発注管理やキャッシュレス決済用のスマートフォンアプリなどを手掛けるSaaS企業のフィンベトテクノロジー(Fi...

三菱重工、ベトナム現地法人を設立 駐在員事務所の機能を大幅強化 (26日)

 三菱重工業株式会社(東京都千代田区)は、ベトナム現地法人「ベトナム三菱重工業(MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES VIETNAM)」を設立し、このほど本格活動を開始した。ハノイ市バーディン区に本社、ホーチミン市1区...

南北高速道路、カムラム~ビンハオ区間が開通 投資総額540億円 (26日)

 南北高速道路の東側路線建設工事の一部である南中部沿岸地方カインホア省カムラム~南中部沿岸地方ビントゥアン省ビンハオ(Cam Lam~Vinh Hao)区間が26日午前に開通した。  同区間は全長78kmで、官民パート...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved