ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

1年に2度も宝くじで大当たりした男性の悲劇、片腕失い生きる今

2020/08/16 05:06 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 東南部地方ビンズオン省在住のドー・ホアン・トアンさん(65歳)は、15歳の時に宝くじで特賞を2度も当てた。しかし、高額な賞金はトアンさんの人生を悲劇の方向に変えていった。

 現在のトアンさんは毎朝、明け方からビンズオン省トゥーザウモット市フークオン街区にあるフークオン公園に静かに入っていく。そして木の下であぐらをかき、静かに瞑想をする。体操をする人たちで混雑してくると瞑想をやめ、ジョギングをしてから頭で身体を支えて逆立ちをし、そのまま倒れて片腕で腕立てをする。

 「もしあの頃、私が宝くじを2度も当てず、ごく普通に大人になっていたとしたら、少なくとも左腕を失うことはなかったでしょうし、麻薬に溺れて若い時代の10年間を無駄にすることもなかったでしょう」とトアンさんは過去を振り返って話す。運動をすることは、自身が麻薬を断ち切り、健康体になったことを周りに証明する手段だという。

 トアンさんは9人兄弟で、一家は借地に建てた仮小屋に住んでいた。小屋の入り口の前で小さな雑貨店を営み、それが当時の家族の収入源となっていた。小学校を出ると、トアンさんは両親を手伝って店番をするようになった。お店では本や新聞、タバコの他に宝くじも売っていた。

 1975年以前は宝くじの抽選は週に1度だけで、宝くじの価値もそれほど高くなかったため、トアンさんはいつも両親に頼んで気に入った番号の宝くじを何枚かもらっていた。抽選の日まで宝くじが売れ残った場合、両親も幸運を祈って宝くじを保管していた。そして、その売れ残った宝くじが、予想外の形でトアンさんの人生を翻弄することとなる。

 1970年9月、トアンさんは宝くじの特賞に加え、2つの残念賞にも当たり、総額300万VND(現在は約1万4000円)の賞金を獲得することとなった。まだ15歳だったため身分証明書がなく、トアンさんは父親に頼んでサイゴン(現在のホーチミン市)に行って賞金を受け取り、保管してもらった。

 「当時の公務員の月給が数千VND(現在は1000VND=約4.6円)だけだったので、300万VNDという金額は家を数軒建て、さらに自動車を購入することができるほどの金額でした」とトアンさん。

 大金を手にしたトアンさんは、友人たちを集めて一晩中飲み明かした。数日間続いた宴の後、トアンさんと友人たちはバイクレースを開催することにした。トアンさんはサイゴンに行き、日本から輸入されたバイクを購入した。50ccのバイクだったが、スリルを感じるために70ccに改造した。

前へ   1   2   3   4   次へ
[VnExpress 05:05 10/07/2020, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
世界最高のリゾート、ベトナムから16部門に選出 WTAの25年版 (10:11)

 世界の観光業界の「オスカー」とも称される「ワールド・トラベル・アワード(World Travel Awards=WTA)」は、世界の観光をリードするホテルやリゾート、航空会社、旅行会社などを選出した2025年版のリストを発...

世界で最も娯楽費が安い都市、ハノイが6位 バンコク12位 (9:07)

 英国タイムアウト誌(Time Out)はこのほど、2025年版「世界で最も娯楽費が高い/安い都市トップ15」のランキングを発表した。ハノイ市は娯楽費が安い都市で6位にランクインしている。  これは、世界100都市の...

26年に注目すべき世界の旅行先トップ10、ムイネーが1位 (8:00)

 世界最大級の宿泊予約サイト「ブッキング・ドットコム(Booking.com)」はこのほど、2026年の注目の旅行先トップ10を発表した。この中で、南中部地方ラムドン省(旧ビントゥアン省)のムイネーが1位に選出された。 ...

ホーチミンの路上のライター修理店、愛好家の駆け込み寺 (21日)

 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロン街区グエンチーフオン通りを訪れた。男性は、ファム・バン・コーさん(男性・72歳)の店である、古びて傾...

スーパーホテル、ハノイに26年3月17日オープン 海外2店舗目 (26日)

 ホテル運営を手掛ける株式会社スーパーホテル(大阪府大阪市)は2026年3月17日、同社100%出資のベトナム現地法人であるスーパーホテル・ベトナム(SUPER HOTEL VIETNAM)が運営する新店舗「スーパーホテルハノイ(S...

タイのアマタ、フート省で新たな工業団地を開発へ (26日)

 北部地方フート省人民委員会は23日、タイのアマタ(Amata)に対し、ドアンフン工業団地(別称:アマタシティ・フート=Amata City Phu Tho)の投資登録証明書を交付した。  同案件はドアンフン村(xa Doan Hung)...

クアンニン省など4省で党委書記・人民委主席が交代 (26日)

 各地方自治体の人事異動により、東北部地方クアンニン省と同カオバン省の共産党委員会書記、西北部地方ディエンビエン省と南中部地方カインホア省の人民委員会主席の4人が交代となった。 ◇クアンニン省共産...

「ベトナム食文化名人」の称号、全国規模で初の授与 (26日)

 ホーチミン市で23日、2025年の「ベトナム食文化名人」の称号の授与式が行われた。食分野に特化した称号の授与が全国規模で行われたのは初めて。  「食文化名人」の称号は15人に、「食文化名匠」の称号は6人...

ベトナム・モビリティショー2025、ハノイで12月26日から開催 (26日)

 ハノイ市ドンアイン村の国家展示センター(VEC)で12月26日(金)から28日(日)まで、モビリティ分野の国際展示会「ベトナム・モビリティショー2025(Vietnam Mobility Show 2025)」が開催される。  同展示会は、...

ベトナム企業、アマゾン経由の輸出拡大 ブランド重視へ転換 (26日)

 アマゾングローバルセリング・ベトナム(Amazon Global Selling Vietnam)はこのほど、国境を越えた電子商取引(eコマース=EC)に参加するベトナム企業の成長と成功事例をまとめた年次レポートを発表した。  ...

又吉直樹×ヨシタケシンスケ共著「その本は」、ベトナム語版を出版 (26日)

 お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹氏と、人気絵本作家のヨシタケシンスケ氏による共著「その本は」のベトナム語版がこのほど翻訳出版された。ベトナム語版では、「本の王国の奇跡(Dieu ky dieu o vuong quoc Sa...

ホーチミン:レロイ通りの改修工事が完了、都市景観が改善 (26日)

 ホーチミン市サイゴン街区(旧1区)のレロイ(Le Loi)通りに立ち並ぶ、老朽化した建造物群の改修工事がこのほど完了した。クリスマスと新暦正月に向けて、ペンキの塗り直しや屋根の改修が急ピッチで進められ、市中...

ハイフォン:6.5万DWTの貨物船が進水、ベトナムの建造で最大級 (26日)

 造船工業総公社(ShipBuilding Industry Corporation=SBIC、旧ビナシン=Vinashin)傘下のナムチエウ造船(NASICO)は北部紅河デルタ地方ハイフォン市で24日、貨物船「チュオンミン・ドリーム02(Truong Minh Dream...

外務省「第19回日本国際漫画賞」、ベトナムの作品が優秀賞 (26日)

 日本の外務省が主催する「第19回日本国際漫画賞」で、ベトナム人作者・原作者の作品が優秀賞を受賞した。  今回は、110か国・地域から過去最多となる738作品の応募があった。また、トーゴやネパールなどの6...

極東貿易子会社のヱトー、ホーチミンに支店開設へ (26日)

 産業設備や産業素材、機械部品などの事業を手掛ける極東貿易株式会社(東京都千代田区)の100%出資子会社であるヱトー株式会社(神奈川県横浜市)は、100%出資海外子会社のヱトー・ソリューションズ・ベトナム(ET...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved