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障がい者の職業訓練縫製工場を立ち上げた男性、自身も障がいと生きる

2021/07/25 10:29 JST配信
(C) tuoitre
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 縁が会って出会った1人の男性が、障がい者に縫製技術を教えるための工場の開設を手伝うと申し出てくれたこともあり、新型コロナ禍の厳しい状況にも関わらず、クイさんは2020年に自分と家族の貯蓄を合わせて8億VND(約380万円)を集め、縫製工場を設立した。

 焼けるように暑かった昨年5月、クイさん父子は建設業者がスケジュール通りに仕事を進められるよう最善を尽くした。そして10月、クイさんの工場が完成し、最低でも1か月450万VND(約2万1400円)の収入を保証し、数十人の従業員を雇用している。中には月に600万〜700万VND(約2万8600~3万3300円)の収入を得ている従業員もいる。

 クイさんの工場で働いているマイさん(女性・20歳)は村でも評判のかわいらしい従業員で、皆が騒がしくおしゃべりをしている中でも、慎重に、丁寧に布を縫い合わせていく。マイさんは生まれつき耳が聞こえない障がいを持っていて、聞くことも話すこともできず、また文字の読み書きもできないため、今まで自分の村を離れたことがなかった。

 「このケースは一番大変でした」とクイさんはマイさんについて教えてくれた。マイさんの母親は、娘が縫製を学ぶことで周りに溶け込み、技術を身につけることで自信を持って生きていけるようにと願い、マイさんを連れてクイさんの縫製工場を訪れた。そしてわずか数か月後、マイさんは自信を持ってミシンの前に座り、注文通りの商品を完成させることができるようになった。

 工場は順調に受注が増え、特に今から年末までは継続的に受注が入っているにも関わらず、「今でもまだ成功しているとは言えません。少し良くなっただけです」とクイさんは謙虚だ。クイさんの願いは、工場がより多くの障がいを持つ人々を雇用し、彼らが自身のスキルに自信を持って社会に溶け込めるよう、職業訓練とスキル向上の機会を提供していくことだという。

 「より多くの障がい者を雇用し、職業訓練を行い、彼らが望むような人生を送れるよう支援していくには、自分はまだまだです」とクイさんは語る。

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