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タイ族の女性が国際ドキュメンタリー映画祭で監督賞を受賞するまで

2022/03/20 10:03 JST配信
(C) vnexpress
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 最初の短編映画「Con Duong Di Hoc」は、200万VND(約1万0400円)の支援を受け、ジエム監督がまだ学生のときに完成した。当時は週末になると故郷へ帰り、峠をのぼり、小川を渡ってHIVに感染しながら女手1つで幼い息子を育てる女性に会いに行っていた。

 カメラを手に、女性を追って森に入り、薪を割ったりバナナをとったり、母子と一緒にタケノコの唐辛子炒めだけがおかずの食事をとったりした。その親密さのおかげで、母子は呼吸をするように自然に映画の中に映り込み、同作品は2013年にベトナム映画協会から短編映画部門でシルバーカイト賞(ゴールデンカイト賞なし)を受賞した。

 その後、2017年秋に最初の長編ドキュメンタリー映画「Children of the Mist」に着手するまでに、何本かの短編映画を制作した。

 「Children of the Mist」は、西北部地方ラオカイ省に暮らす、少数民族モン族の12歳の少女ジーさんの人生をつづったものだ。ジーさんはサパの中心部から約12km離れたところに住んでいる。ジーさんはとても勉強熱心だが、男性が嫁となる女性をさらう「嫁さらい」などのモン族の風習により、未来がすっかり変わってしまう可能性があった。

 100分近いこの作品では、ジーさんと周囲の人々との関わりから、守っていくべき伝統的な風習と現代の価値観のはざまで生きる少女の様子を描いている。

 「あるとき、ジーの後について丘をのぼって遊んでいると、子供たちが無邪気に『嫁さらい』ごっこをしているのを目にしました。わずか数年後に、このごっこ遊びが子供たちの現実になるかもしれないと想像し、突然怖くなりました。それで、映画にすることを思いついたんです」とジエム監督は語る。

 それ以来、ジエム監督はジーさんの人生を記録するため、年に5~6回はジーさんのもとを訪ねた。ジエム監督は物事の外側に立つのではなく、少数民族の言葉はわからないながらも、登場人物の生活に溶け込むようにした。

 ジーさんの家族と一緒に田植えをするときも、稲刈りをするときも、ジーさんが学校に行くときも、村の結婚式や葬式のときも、カメラはしっかりと携えて行った。

 村人の家でお酒を飲んで酔っぱらい、豚が掘った穴に落ちて全身ずぶぬれになったこともある。そのときは、ジーさんの両親がそれぞれ両側を支えて連れて帰ってくれた。そのとき、ジーさんの母親が草笛を吹き、父親が語り、ジエムさんはあまりに夢中になってカメラの電源を入れ忘れてしまったという。

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