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ホーチミンの路上でおもちゃを売る老人とその事情

2022/10/30 10:18 JST配信
(C) thanhnien
(C) thanhnien

 チーさん夫妻は若い時から路上で様々な雑貨を販売してきた。チーさんの妻が足の痛みで歩けなくなった当初は、チーさんも妻と一緒に家で過ごして子供たちに頼る生活だった。しかしわずか数日後、チーさんは同市のチョロン(Cho Lon)に向かい、歩行者天国で売るおもちゃを仕入れてきた。

 3年近く前までは、チーさんは商品を手に持って移動しながら売り歩いていたが、チーさんも足を悪くしたことで1か所に座って販売するようになった。そばに停めてある新しいカブについてチーさんは「仕事に出かける用に娘が買ってくれたんだ」と自慢げに話した。

 「今はたくさんの人が路上でものを売っているので、自分がまだ売れているのは幸運です。日々の売り上げは朝食を食べてタバコを買うのには十分。売り上げが良かった日は子供たちに食費として数十万VND(10万VND=約580円)を渡しています。子供たちに頼らずに自分で働きに出るほうがいいですし、病気の時も自分で薬を買うし、誰にも迷惑はかけません」とチーさんは語る。

 チーさんが暮らす小さな路地裏では、新型コロナで3人が亡くなったが、チーさんの家族は皆無事だった。「この時代を生きていられるのは、本当に幸運ですね」とチーさん。

 毎日18時半になると、シートと商品のおもちゃを持ってグエンフエ通りの歩行者天国に行くのがチーさんの日課だ。チーさんいわく、おもちゃは買わずにパック牛乳をくれたりアイスを食べないかと誘ってくれたりする人もいるという。そういったことも含めてチーさんは、人生は愛に溢れていると感じ、もっと喜びを感じるためにこの仕事を続けたいのだと教えてくれた。

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