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ホーチミン市在住のグエン・クオック・フンさん(男性)は、40年以上にわたって時計の修理を生業にし、家族を養い、3人の息子を大学に通わせ、立派に育て上げた。
フンさんの店の名前が「グエン」(※名字のグエンとは声調が異なる)であることから、人々はフンさんのことを「時計のグエンさん」と呼んでいる。店名の由来についてフンさんは、故郷への想いを込めて、父親の出身地である北部紅河デルタ地方ハイフォン市の「トゥイグエン(Thuy Nguyen)」の地名から取ったのだと語る。
「店」とはいうものの、古びたガラス製の作業台がひとつと、時を経てすり減ったルーペがあるだけだ。
フンさんによれば、彼の父親は1946年に南部へ移り住み、労働者として東南部地方ドンナイ省や南中部地方ラムドン省などのゴム農園を転々とした。
あるとき、西洋人の農園主の息子がひどい歯痛に苦しんでいた。西洋薬を飲んでも良くならず、フンさんの父親は家伝の民間療法での治療を申し出た。するとその薬が効いて、少年の歯の痛みは治まったという。
この恩義に報いるため、農園主は、フンさんの父親が重労働から解放され、家族を養えるようにと、彼に時計の修理の技術を教えた。