ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナムの人材事情(4):その候補者、本当に採用して大丈夫ですか?~外見・しぐさ編~

2015/08/29 06:00 JST配信

 こんにちは、G.A.コンサルタンツの関です。今回のタイトル「その候補者、本当に採用して大丈夫ですか?」でおわかりの通り、採用してNGの可能性が高い候補者を面接段階でどう見分けるか、人材会社の立場として内部採用・クライアント向けの面接に携わってきた私なりの考えをまとめたいと思います。主観に基づいたところがありますため、必ずしもここに挙がったからといって候補者の能力を否定するものではないことを付け加えさせて頂きます。

その1:アイ・コミュニケーションがうまくできない

 日本人同士でも同じかもしれません。ただ、お互い外国人ですので言語コミュニケーションが完璧にできないだけに非言語コミュニケーションの重要性は日本にいるとき以上に注意を払うべきだと思います。

 このアイ・コミュニケーションは言外のメッセージを読み取るのに有効な手段ですが、これが成立しないケースがあります。例えば候補者にとっては少し厳しいと思われる質問をぶつけた場合、正視することを避けて目線を悉く外してくることもあります。この場合は自分の答えに自信がないか、もしくは嘘をついている可能性が高いです。

 時折、自分でやったわけではないのにあたかもそれを武勇伝としてアピールしようとする人がいます。それを話している時の彼・彼女の目線は面接官の正面を捉えていません。勿論、会った瞬間から目が泳いでいたり、完全にどこを見ているのかわからないという人は論外です。

その2:ジェスチャーが大袈裟

 大抵このケースでは人の話をきちんと聞かずにずっと話し続けるパターンが多く、とにかく身振り手振りを駆使しながら、相手に自分のことをわかってもらおうと終始します。言っていることは筋が通っていたとしても、こういったタイプは人の言うことにあまり耳を傾けません。採用した後に連携を取りたい時やマネジメントする際に苦労をされることでしょう。

その3:適応動作が頻繁に出る

 適応動作とは心の内部でバランスを取ろうとして無意識に人が取る行動です。例えば貧乏ゆすりをしたり、足を組み替えたり、ペンをクルクルと回すなどです。

 面接の中では面接官側が誤って不適切な発言をしてしまうことや、強めのプレッシャーを与える場面もあることでしょう。そのような場合は候補者も心の動揺を制止しようと適応動作を出してしまいます。但し、その頻度があまりに高い場合は要注意です。つまりそれは普段から精神面で不安定であったり、極度にストレス耐性が低い可能性があるからです。

本当に採用して大丈夫?

 細かな事例を挙げるともっともっと出てくるでしょうが、大まかに今回は3つの事例を挙げてみました。マネジメント職や営業職に就く候補で上記のどれかに当てはまるとすれば、もしその候補者が採用するか否かの当落線上にある場合は見送っても良いかもしれません。

 一方でデザイナーやデベロッパー、エンジニア、法務スタッフ等々、専門スキルが仕事のバリューのほとんどを占める場合は、ケースバイケースで多少のことは目をつぶっても良いでしょう。やはり独創的で独特な方も多いので…

最後に参考までに。

 人間の顔の左半分は右脳が司っているため、心の動揺があったり、嘘をついている時などは左半分の表情に表れるそうです。逆に右半分はコントロールしやすいため動きはあまりありません。

 非言語コミュニケーションを深く読み取るための手段として、相手に気付かれない程度に次回の面接からこの「左顔チェック」を取り入れてみては如何でしょうか?でも、くれぐれも凝視して変な勘繰りをされないようお気を付けください!

著者紹介
関 岳彦 (せき たけひこ)

G.A.Consultants Vietnam 代表
大学卒業後G.A.コンサルタンツへ入社。
2005年よりベトナム人の人材紹介を行うVieclamBank(ベクラムバンク)事業の立ち上げでベトナムへ駐在を開始。その後日本人のベトナム就職のためのブランドR-Vietnamを展開。
日本人求職者のキャリアコンサルティングを行う一方、ベトナム国内の日系企業のうち、累計500社超に及ぶ採用をサポート。現在はホーチミンを基点にハノイ、ジャカルタ、ヤンゴンのオフィス間を行き来する。
◇ベトナム人紹介サイト:vieclambank.com
◇ベトナムで働きたい日本人のためのサイト:r-vietnam.com


ベトナム人材事情
その他の記事はこちら>
[2015年8月29日 ベトジョーコラム A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナム共産党、序列4位の国会議長を解任 首脳解任相次ぎ異例.. (26日)

 ベトナム共産党中央執行委員会は26日に臨時会議を開き、本人からの希望を受けて、ブオン・ディン・フエ氏の政治局員・党中央執行委員・国会議長としての職を解任することを決定した。  中央執行委員会は解...

アップル製品の生産拠点数、ベトナムが世界4位 東南ア最多 (26日)

 米アップル社(Apple)がサプライチェーンの多様化に注力している中、依然として中国が同社最大の生産拠点となっているが、ベトナムでも生産拠点数が大幅に増えており、主要生産拠点の1つになっていることが同社...

中国、南シナ海で3か月間の漁獲禁止を発表 ベトナム外務省が抗議 (26日)

 中国は、5月1日から約3か月間にわたり南シナ海での漁獲を禁止すると発表した。漁獲禁止が適用される範囲には、ベトナムが領有権を主張する南シナ海のホアンサ諸島(英名:パラセル諸島、中国名:西沙諸島)周辺海...

10代で結婚、30代で孫の世話…連鎖する児童婚 (21日)

 他に人のいない家の中で、タオ・バン・ポーさん(男性・36歳)が子供をあやして泣き止ませようとしている。一見、ポーさんが自分の子供をあやしているのかと思いきや、実はこの子供はポーさんの「孫」だ。  ...

ハノイ:行政区再編計画を承認、ホアンキエム区の合併なし (26日)

 ハノイ市人民委員会は25日、2023~2025年の行政区再編計画を承認した。これにより、ホアンキエム区の合併はせず、郡レベル(郡・区・町=thi xa)の行政区の数を現在の30で据え置くことで一致した。  計画に...

授業料返還渋る英語学校エーパックス運営会社に56万円の罰金処分 (26日)

 国家証券委員会(SSC)は、情報公開規定に違反したとして、英語学校「エーパックス・リーダーズ(Apax Leaders)」を運営するエーパックス投資ホールディングス[IBC](Apax Holdings)に9

双日、地場SaaS企業のフィンベトに出資 (26日)

 双日株式会社(東京都千代田区)は、ベトナムで主流となっている家族経営を中心とした小規模小売店の受発注管理やキャッシュレス決済用のスマートフォンアプリなどを手掛けるSaaS企業のフィンベトテクノロジー(Fi...

三菱重工、ベトナム現地法人を設立 駐在員事務所の機能を大幅強化 (26日)

 三菱重工業株式会社(東京都千代田区)は、ベトナム現地法人「ベトナム三菱重工業(MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES VIETNAM)」を設立し、このほど本格活動を開始した。ハノイ市バーディン区に本社、ホーチミン市1区...

南北高速道路、カムラム~ビンハオ区間が開通 投資総額540億円 (26日)

 南北高速道路の東側路線建設工事の一部である南中部沿岸地方カインホア省カムラム~南中部沿岸地方ビントゥアン省ビンハオ(Cam Lam~Vinh Hao)区間が26日午前に開通した。  同区間は全長78kmで、官民パート...

国家ハラール認証センター設立、イスラム圏への輸出強化目指す (26日)

 科学技術省品質測定基準総局傘下の適合認証センター(Vietnam Certification Centre=QUACERT)は24日、国家ハラール認証センター(HALCERT)の設立発表式典を開催した。  ハラール認証は、「イスラム法の定め...

大同工業、ベトナム子会社を増資 生産体制整備 (26日)

 二輪車及び四輪車部品、産業機械部品などの製造・販売を手掛ける大同工業株式会社(石川県加賀市)は、同社が100%出資するベトナム子会社のD.I.Dベトナム(D.I.D Vietnam=DVN、北部紅河デルタ地方フンイエン省)...

半導体産業人材育成に1600億円投入へ、計画投資省報告 (26日)

 ファム・ミン・チン首相は24日にハノイ市で開催された「半導体産業人材育成に関する会議」で、半導体人材育成制度を整備し、優遇的かつ具体的な仕組み・政策を策定することを指導し、教育施設や実験室、製作所...

中国人率いる違法高利貸しルートの元締めに有罪判決、年利2346% (26日)

 南中部沿岸地方クアンナム省人民裁判所は25日、中国人率いる高利貸し・債権回収の取り立てルートの被告40人に有罪判決を下した。被告は、元締めの中国人3人と共犯のベトナム人37人。  ルー・ワン被告(37歳)...

ベトナムの「ロト6」で過去最高の当選額、賞金19億円 (26日)

 財政省傘下のベトナムコンピュータ宝くじ社(ベトロト=Vietlott)はホーチミン市で23日、数字選択式宝くじ「パワー6/55(Power 6/55)」の抽選で特賞(Jackpot 1賞)に当選した幸運な男性2人に当選金を授与した。賞...

地場飲料大手会長親子の資産横領事件、元会長に禁固8年の判決 (26日)

 地場大手飲料メーカーのタンヒエップファット商業サービス社(Tan Hiep Phat)のチャン・クイ・タイン元会長 兼 社長(男・71歳)とその娘2人の計3人が、企業経営者など複数の個人から不動産開発用地を不正取得した...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved