ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナムの人材事情(2):パラサイトシングルの特徴と見極めポイント

2015/07/25 06:00 JST配信

 皆さん、こんにちは。G.A.コンサルタンツの関です。日頃弊社では、人材を紹介する立場から「どういった人間が一生懸命働くか、事前に見極めるポイントはありますか?」という質問を頂きます。ポイントは多岐に渡り、絞ることがなかなか難しいところですが、逆に失敗する確率が高いパラサイトシングルについて触れたいと思います。

「パラサイトシングル」問題

 大学卒業後も両親と同居し、親のスネをかじる独身者を日本ではパラサイトシングルと呼び、ニートやフリーターと並び社会現象を表す言葉として浸透しました。依然としてこの問題は続いています。そして急速な経済発展を遂げ、所得が増え始めた国々でもこの問題が発生し始めています。

 中国ではパラサイトシングルに近い言葉として、コウ老族という単語が出現しました。高齢の親を食いつぶすこと意味から生まれた表現で、一人っ子政策の影響でこのようなコウ老族が中国国内、特に都市部で急速に増え続けています。ちなみに一人っ子政策によって生まれた、過保護に育てられた子は小皇帝と呼ぶそうです。

ベトナムの「パラサイトシングル」と人材の特徴

 さて、ベトナムでも国内の景気は大きく変動してはいるものの、長いスパンで見たとき順調に経済は発展していますので、パラサイトシングルが生まれる土台は十分に備わっていると思われます。

 実際、親元に暮らしながら基本的な生活コストを極力削り、余暇にお金を使う人たちはかなりの数で存在します。こうした人たちの親は自営業で成功していたり、不動産を保有しているなど比較的裕福な部類に入り、また教育投資もできることから子供達は高学歴です。

 ですが、受けた教育がいくらすごくても、所詮親のスネかじりですのでところどころ考え方に甘えが目立ちます。このような人たちには、次のような特徴が見られます。

1.理想の仕事を追い求めるが、仕事選びの基準があやふや。
2.辛い局面に立ち会ったときに心が折れやすい。
3.ジョブホッピングすることに抵抗が薄い。

人材を見極めるポイント

 内面を除く基本スキルは高いのでスムーズに仕事に入りやすく、また外資系企業での求人数も増えていることから、仕事は比較的見つけやすいようです。一方、危機意識の欠如から忍耐力に欠け、大きな仕事ができません。一番大事なヒューマンスキルは磨かれず、大きな成長もないまま、経歴書に書く内容だけが増えていく結果になってしまいます。これは非常に残念なことです。

 したがって、採用側は上記点に留意しながら本人の資質をじっくりと見極め、語学力に優れているからといって過度な期待をかけず、内面的なスキルを充実させていくスタンスで付き合っていくことが求められます。教育次第では大きく変身するかもしれません。…が、往々にしてその前に心が折れてしまうことが多いようです。

著者紹介
関 岳彦 (せき たけひこ)

G.A.Consultants Vietnam 代表
大学卒業後G.A.コンサルタンツへ入社。
2005年よりベトナム人の人材紹介を行うVieclamBank(ベクラムバンク)事業の立ち上げでベトナムへ駐在を開始。その後日本人のベトナム就職のためのブランドR-Vietnamを展開。
日本人求職者のキャリアコンサルティングを行う一方、ベトナム国内の日系企業のうち、累計500社超に及ぶ採用をサポート。現在はホーチミンを基点にハノイ、ジャカルタ、ヤンゴンのオフィス間を行き来する。
◇ベトナム人紹介サイト:vieclambank.com
◇ベトナムで働きたい日本人のためのサイト:r-vietnam.com


ベトナム人材事情
その他の記事はこちら>
[2015年7月25日 ベトジョーコラム A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
抗仏戦争の郵便配達員、地獄の10日間の記憶 (10:19)

 電気ショック、水責め、足指潰しなどの拷問を10日間にわたり受け続け、体重が20kg減ったにもかかわらず、郵便配達員だったレ・バン・トゥーさんは一言も口を割らず、通信の「生命線」を守り抜いた。  トゥ...

ハノイ:金メッキホテルが金粉エッグコーヒーを提供、1杯15万VND (18日)

 ベトナム戦争中にミルク不足のため、ハノイ市のメトロポールホテル(現ソフィテル・レジェンド・メトロポール・ハノイ)のシェフだったグエン・バン・ザン氏が、代用品として卵黄を使用したことで誕生したエッグ...

米誌選出「世界で最もフレンドリーな国トップ10」、ベトナムが6位 (18日)

 米国の大手旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー(Conde Nast Traveler=CN Traveller)」はこのほど、専門家と読者の投票で決まった「世界で最もフレンドリーな国トップ10」を発表した。同ランキングでベトナムは...

パスポート自由度、ベトナムは199か国中92位 (18日)

 コンサルタント会社ヘンリー&パートナーズ(Henley & Partners)は、世界199か国・地域のパスポートおよび世界227か国・地域の渡航先を対象としたパスポート自由度ランキング(The Henley Passport Index)の最新...

AI法案、国家AIインフラ整備へ 26年施行の見通し (17日)

 科学技術省は、人工知能(AI)法草案を公表し、意見聴取を実施している。  国会での審議・可決を経て、2026年に施行される見通しだ。同法の施行により、ベトナムはAI技術の健全な発展と国際競争力の強化を目...

ホーチミン:カイメップ・ティバイ港でクルーズ船寄港停止の恐れ (17日)

 米国のクルーズ大手ロイヤル・カリビアン・グループ(Royal Caribbean Group)が運航する、外国人観光客4000人超を乗せた国際クルーズ船「オベーション・オブ・ザ・シーズ(Ovation of the Seas)」が、18日に予定...

ベトテル郵便、ダナンで物流センターを着工 (17日)

 国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)の子会社である宅配大手のベトテル郵便[VTP](Viettel Post)は15日、南中部地方ダナン市のリエンチエウ工

カマウ省:ベトナム戦争の戦勝遺跡地区が完成 (17日)

 南部メコンデルタ地方カマウ省人民委員会は15日、チャンファン村でダムゾイ・カイヌオック・チャーラー(Dam Doi - Cai Nuoc - Cha La)戦勝遺跡地区の完成式を開催した。  同戦勝遺跡地区は面積約3万m2で、...

ベトテルの子会社2社、ラオスで物流合弁会社を設立 (17日)

 ラオスの首都ビエンチャンで15日、国防省傘下のベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)の子会社であるスターテレコム(Star Telecom)とベトテル郵便[VTP](Viettel Post)に

大規模な消火器偽造ルートを摘発、「ドラゴン」ブランド (17日)

 ハノイ市警察は14日、市場で流通している「ドラゴン(DRAGON)」ブランドの消火器が偽造品であり、火災を消し止める能力がないとして、メーカーなどに対する捜査を進めている。  捜査によると、南部地方タイ...

韓国OCI、ベトナムのウエハー工場に投資 年産規模2.7GW (17日)

 化学関連事業を手掛ける韓国のOCIホールディングス(OCI Holdings)のマレーシア子会社で、太陽電池用ポリシリコンの製造を手掛けるOCIテラサス(OCI TerraSus)は、ベトナムにあるシンガポールの太陽光設備関連メ...

タインホア省:人民軍上将のアイン氏が党委書記に再任 (17日)

 北中部地方タインホア省共産党委員会が15日に開いた会議で、全会一致でグエン・ゾアン・アイン書記の再任が決まった。任期は2025~2030年。  アイン書記は1967年生まれの58歳で、ハノイ市出身。合同兵科指...

サンG、サン・フーコック・エアウェイズをお披露目 11月1日就航 (17日)

 観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sun Group)はハノイ市で15日夜、新たな航空会社「サン・フーコック・エアウェイズ(Sun PhuQuoc Airways=SPA)」を正式にお披露目した。  ベトナム初の「リゾート航空...

ベトナム、国連人権理事会の理事国に選出 2期連続3回目 (17日)

 国連総会は14日、国連人権理事会の理事国14か国の改選を行い、ベトナムが190か国中180か国の票を得て理事国に選出された。ベトナムの得票数はアジア太平洋グループで最多だった。任期は2026年から2028年まで。 ...

サングループ、ダナンで水上観光開発へ 投資総額560億円 (17日)

 南中部地方ダナン市人民委員会は、観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sun Group)傘下のハロン・サン(Ha Long Sun)を、水上観光インフラ整備プロジェクトの投資主体として正式に承認した。投資総額は約9兆88...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved