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ベトナムの多くの企業が労働者を繋ぎ止めるために、年内の賃上げを計画していることが、人材紹介会社の調査で明らかとなった。
インターネット上で求職求人情報サービスを提供するエン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)傘下のナビゴスグループ(Navigos Group)が先般発表した2023年度給与調査レポートによると、調査対象となった企業の27%が「給与を+5%以上~10%未満引き上げる」と回答した。
この他の回答では、◇給与を現状維持:調査対象企業の23%、◇+5%未満の引き上げ:同15%、◇+10%以上~15%未満の引き上げ:同12%などと続いた。
調査対象企業の多くは新型コロナ後の回復段階にあるため、大幅な昇給が難しい状況だが、企業の半数以上が、給与・手当・賞与制度を改善すると回答した。企業各社はこのほか、労働者を繋ぎ止めるべく、柔軟な働き方や学習と昇進の機会、テクノロジーの導入などで労働環境を改善する考えだという。
また同社が労働者4170人を対象に実施した給与・賞与制度への期待に関する調査では、回答者の45%が+10%以上の昇給を望んでいることが分かった。
なお、ベトナムを含む世界31か国・地域の企業を対象に実施した英系ロバート・ウォルターズ(Robert Walter)の2023年度給与調査レポートによると、調査対象企業の88%が労働者に対する給与を引き上げると回答している。
労働者が年内に転職する場合、それまでより+15%~25%高い給与を受け取る可能性がある。特にデジタル関連など需要の高い分野では、昇給率が+35%に達する場合もある。調査結果によると、全職種で74%の労働者が転職の意向を表明しており、87%が昇給を希望している。
ロバート・ウォルターズ・ベトナム(Robert Walters Vietnam)のフック・ファム社長は、多くの企業が年内の賃上げに意欲的である主な理由として、◇生活費上昇による労働者への影響を企業が認識していること、◇企業にとって従業員を繋ぎ止める必要性が高まっていることなどを挙げた。
昇給の可能性が最も高い分野は、購買調達・物流、テクノロジー・デジタルトランスフォーメーション(DX)など。一方、人員削減のリスクが最も高い分野は、法律、技術・製造、セールス・マーケティングなどとされている。