ホーチミン人民裁判所は20日、自らを政府高官だと称し、言葉巧みに女性に近づき関係を迫り、その後さらに嘘を重ね財産を奪った詐欺罪で起訴されていたドー・クォック・シー被告に禁固26年の判決を下した。
シー被告はタン・ソン・ニャット国際空港にある税関支局の副支局長だと名乗り、若い女性20人と関係を持ったほか、女性らの家族からあわせて5億5,000万ドン(約3万4,600米ドル)を騙し取っていた。
この20人の被害者のほとんどは若くて美しい女性で、シー被告と出会った数日後にカフェに誘われ、その後ホテルへというパターンが多く、「国際空港の税関支局の若きナンバー2=金持ち・安泰」という方程式により、被告は「簡単に落とせた」と自供している。また被告は「思うようにならない相手に対しては、暴行を働いた」ことや「結婚しようと騙し女性宅を訪ね、しばらく居候していた間にその女性の実姉や義姉とも関係を持った」ことも自供している。
金品を騙し取る手口は、結婚しようともちかけ、女性の家族の持ち家を、「俺が新しい家を買ってやるから」と言う理由で売らせ、家を売った代金の一部を「ビジネスのため」などと称して借り逃げしていた。
シー容疑者は前科数犯で、誘拐、人身売買、身分偽証による詐欺などの罪で、これまでに何度も刑に服していた。今回の事件は刑期満了による出所後すぐの犯行だった。