ハノイ資源環境局はこのほど、同市内を通行しているバイクの70%以上が排気ガス基準を満たしておらず、大気汚染を悪化させていると発表した。これらは旧式のバイクで走行距離が1万5000キロ以上に及び、定期点検も行われていない。
同局気象・環境管理室のビン室長によると、現在市内の交通でバイクが占める割合は87%以上で、排気ガスから排出される有害物質が大気汚染を悪化させる主な原因になっているという。市内で高濃度の大気汚染が観測される地点では交通渋滞が日常化しており、車やバイクは時速5キロ以下での走行を余儀なくされている。この場合、排出する一酸化炭素の量は時速30キロで走行した際に比べ、バイクで5倍、バスやトラックで3.6倍に増加する。
同局は市内の大気汚染がさらに悪化すれば、市民の健康に悪影響を及ぼすのは必至であるとしている。近年急増している循環器系の病気は、大気汚染が原因であることが一部の研究で確認されている。