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ペトロベトナムグループ(PVN)の子会社である石油ガス試掘・掘削総公社(PVEP)が参画していたベネズエラでの石油開発案件について、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)はPVNに対して、「全ての書類」を提出するよう求めて本格捜査に乗り出した。
PVEPはグエン・タン・ズン前首相の承認のもと2010年から同案件に参画し、2013年まで多額の資金を費やした。同案件を直接展開するのはPVEPとベネズエラ国営石油会社(PDVSA)の合弁会社「ペトロマカレオ(PetroMacareo)」で、PVEPが出資持分40%を保有していた。
同案件はベトナムが海外で実施する石油開発案件として過去最大規模のもので、石油採掘のほか、製油所の建設も予定されていた。ベネズエラ北西部モナガス州にあるオリノコ油田ジュニン2鉱区で展開し、投資総額は124億USD(約1兆4000億円)に上る見込みだった。
PVEPは案件への「参画料」として3期に分けて計5億8400万USD(約650億円)の支払いが求められた。PVEPは第1期と第2期で合わせて4億4200万USD(約495億円)を支払ったが、事業は遅々として進まなかったため、ズン前首相の承認のもとで第3期の参画料を支払うことなく同事業から撤退した。
「PVEPが期日通りに参画料を支払わなかった場合、PDVSAが無償でPVEPの出資持分を受け取る」という契約事項が存在していたことから、PVEPはペトロマカレオへの出資持分も喪失した。ペトロマカレオには9000万USD(約101億円)を出資していた。
しかし、この「参画料」は不当なものである上、不払いに関する契約事項にも問題があるとされている。計画投資省は当時、ベネズエラ事業はリスクが高いことを指摘し、財政省も「参画料」を不当として説明を求めたが、PVEPはそれらを無視していた。
同事件に関連して、PVNのグエン・ブー・チュオン・ソン社長(男性・57歳)はこのほど辞意を表明した。辞意の理由は明らかにされていないが、同氏は2009年から2012年にかけてPVEPの社長を務めており、同案件に深く関与していたと見られている。