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華人系不動産大手VTPを巡る違反事件、中銀発足の調査隊全員が収賄 リーダーは7.8億円受け取る

2023/11/20 16:45 ICT配信
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 華人系の不動産大手VTPグループ(Van Thinh Phat Group)の違法社債発行およびサイゴン商業銀行(SCB)による銀行業務違反などに関する一連の事件で、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)は17日、捜査結果を発表した。

 同事件は、VTP会長のチュオン・ミー・ラン容疑者(女・67歳)が経営支配権を掌握していたサイゴン商業銀行(SCB)を介して国民や企業から資金を調達し、不動産投資などの名目でSCBにVTP系列企業向けの違法融資を行わせ、同行に多額の被害をもたらしたというもの。

 同事件を巡っては、86人の容疑者が、◇資産横領容疑、◇銀行活動に関する規定および銀行業務に関連するその他の活動に関する規定に違反した容疑、◇信頼を悪用し資産を横領した容疑、◇収賄容疑、◇公務執行にあたり役職・権限を乱用した容疑、◇責任を果たさず甚大な被害をもたらした容疑で起訴された。

 捜査結果によると、ラン容疑者は2011年、◇SCB、◇ティンギアバンク(Tin Nghia Bank) 、◇フィコムバンク(Ficombank)が統合する形で誕生した新生SCBの経営支配権を掌握。SCBの資本金は2012年1月1日時点の10兆VND(約610億円)から15兆VND(約920億円)に引き上げられた。

 ラン容疑者は逮捕までに複数の個人・企業の名義を介してSCB株85.0%~91.5%を保有。同容疑者はSCB経営に直接参加していなかったが、同容疑者の側近らがSCBの要職を務めていた。残るSCB株は小口株主約4000人が保有している。

 VTPは国内外にペーパーカンパニーを設立する形で1000社以上の系列企業を保有。ラン容疑者の指示のもと、SCBは担保資産を審査せずにVTP系列企業に違法融資を繰り返し実施。VTP系列企業は債務不履行となっており、SCBは多額の不良債権を抱えてしまった。融資金や利息などを含めたラン容疑者らがSCBにもたらした被害総額は415兆VND(約2兆5500億円)に上るとされる。

 SCB構造改革の一環として、ベトナム国家銀行(中央銀行)は2017~2018年、同行の全面調査を実施すべく、組織横断調査隊を発足。調査隊は、◇中央銀行9人、◇政府監査委員会4人、◇国家財政監視委員会3人、◇国家監査委員会2人の計18人から成り、中銀第2調査監視局長のドー・ティ・ニャン容疑者(女)が調査隊のリーダーを務めた。

 ニャン容疑者らは調査の際、SCBが債務超過となっていること、SCBでのラン容疑者の実際の保有率、VTP系列企業に対するSCBの違法融資を発見したにもかかわらず、賄賂を受け取ることで見て見ぬふりをした。

 中でも、ニャン容疑者が賄賂として受け取った額は520万USD(約7億8000万円)となっており、1人の公務員が受け取った賄賂として過去最大額。他のメンバーは1億~87億VND(約61万~5300万円)をそれぞれ受け取っていた。

 組織横断調査隊が不良債権などSCBの財務データを改ざんして調査結果を操作したため、中央銀行はSCBの実態を把握し、ラン容疑者らの違反を早期に阻止することができなかった。

 同事件では、ラン容疑者とその夫チュー・ナップ・キー・エリック(Chu Nap Kee Eric)容疑者(中国(香港)国籍)のほか、VTPやSCBの従業員、中央銀行や政府監査委員会といった管轄機関の幹部など計86人の容疑者が起訴された。この中には、海外逃亡して指名手配されている複数の容疑者も含まれる。

 SCBでは、2022年10月にタンベト証券(TVSI)の会長 兼 社長でSCB取締役を務めていたグエン・ティエン・タイン氏(男性・当時49歳)が脳卒中で急死。さらにVTPのラン会長が社債発行をめぐる詐欺・資産横領容疑で逮捕されたことを受け、多くの預金者がSCBに殺到するなど混乱が起きていた。SCBは2022年10月から特別監視措置を受けているが、中央銀行によると、SCBの状況は制御下にあり、徐々に安定しつつあるという。

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