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ベトナムから日本へ労働者を派遣する事業者が、人材確保に苦戦している。円安の進行やベトナム国内での給与水準の上昇に伴い、日本で働く魅力が薄れ、応募者が大幅に減少しているためだ。
派遣各社は採用基準の引き下げや手厚い支援策を打ち出しているものの、募集人数を満たせない状況が続いている。
円安と国内賃金上昇で応募者減
日本はベトナム人労働者の主要な派遣先の一つだが、日本に在留するベトナム人技能実習生の数は2024年末の21万2141人から2025年末には18万9756人に減少した。
かつて1つの募集枠に7~8人の応募があったという事業者でも、現在は1枠当たりの応募者が1~2人にまで落ち込んでいる。
背景には、1円=200~220VNDだった為替相場が1円=160~170VNDまで円安に振れ、VND換算での送金額が目減りしたことがある。さらに、ベトナム国内でも建設業の単純労働などで月収2000万VND(約12万2000円)程度を得られるケースがあることも、渡航意欲を減退させている。
採用基準を緩和、台湾などに求職者流出
人材確保難を受け、派遣事業者の一部は身長制限などの採用基準を緩めたり、渡航前の研修期間中に送迎や費用補助を行ったりして人材の確保に努めている。しかし、機械加工や溶接など、体力や技能を要する仕事では若者の敬遠が目立つ。
また、日本渡航までに約7か月の準備期間を要し、日本語の習得も求められるのに対し、台湾は渡航までの待機期間が約2か月と短く、応募条件も比較的緩やかだ。このため、台湾や欧州など他の市場を選ぶ労働者も増えている。
日本での就労には、雇用の安定性に加え、3年間の技能実習を終えて帰国した際に、一定の条件を満たせば年金の脱退一時金を受け取れるなどの利点がある。受給額は条件によって異なるが、1億~1億5000万VND(約61万~91万円)程になる場合もある。
一方で、2027年4月1日には、現行の技能実習制度に代わる新たな「育成就労制度」が施行される予定だ。派遣事業者からは、新制度への移行に伴って採用条件が厳しくなれば、人材確保競争が一段と激化するとの見方が出ている。日本向け労働者派遣は大きな転換期を迎えている。
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