![]() (C)Thanh nien、明命帝とされる肖像画 |
この異常とも言えるほどの精力振りは、皇帝の御医らが特別な精力剤を処方したためと信じられている。これが「ミンマンタン」と呼ばれる精力剤で、その処方には20種類あるとも24種類あるとも言われている。このうち最も有名なのは「一夜六交生五子」「一夜五交生四子」という2種類の処方だという。意味は読んで字の如し。
多くの人は、「ミンマンタン」はバイアグラの一種だったと考えている。全国の漢方薬店が独自の処方で薬用酒「ミンマンタン」を作っているが、トゥアティエン・フエ医薬品社の生産しているものが最も有名なようだ。
「ミンマンタン」の処方はグエン朝廷の最高機密だったため門外不出だったが、御医と通じた朝廷内の高官によって外に持ち出され、一部の家族に伝えられたとみられている。その後雑誌や本で広く紹介されるようになった。
ところが、「ミンマンタン」の17種類の処方を集めたという漢方医ティック・トゥエ・タム氏は「薬効に通常の漢方薬との違いはほとんどない。バイアグラとはまったく異なるもの。市販の薬用酒に何らかの効果を期待してはいけない」と釘を刺した。かくして「ミンマンタン」の謎は今も残されたままとなっている。