ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

石炭アイロンのラミネート職人、古き良き文化を守る女性たち

2015/09/27 05:49 JST配信
(C) zing, ニュンさんとアイロン
(C) zing, ニュンさんとアイロン

 ホーチミン市中心部の路上には、今でも古い石炭アイロンを使った手作業のラミネート加工(ép dẻo)を生業とする2人の女性がいる。彼女たちは、同市に残る数少ないラミネート職人のうちの2人だ。

 3区のカオタン通りとグエンディンチエウ通りの交差点の角に、厳格な様子で煙の上がった鉄のアイロンを掴んでいる一人の女性がいる。彼女は30年間ラミネートの仕事を続けているレ・ティ・フエさん(55歳)。フエさんの仕事場は、近代的な機械を備えるコピー店とプラスチックラミネート店の前に置かれた粗末なブースだ。

 小さな頃からのバイク修理の仕事に馴染めず、フエさんは結婚後の1985年にラミネートを勉強し始めた。作業に慣れた頃、彼女は鉄のアイロンと数枚のプラスチック板、石炭ストーブを購入し、この仕事を始めた。

 初代のアイロンは内側から石炭で温めるものだったが、数年後に失くなってしまったため、現在は2枚の鉄板でできた重さ5kg近くのアイロンを使っている。このアイロンは、朝から晩まで、石炭ストーブの上で熱せられている。

 フエさんの店の近くに座っている守衛のグエン・バン・ロイさん(男性・58歳)は、バイク保険を購入した後は毎回フエさんにラミネートしてもらっているという。「10年前、この仕事をしている人はたくさんいましたが、今はもうフエさんと同じように石炭アイロンでラミネートをする人はほとんどいません」と彼は言う。

 ビンタイン区のソービエットゲティン通りで、53歳のチュオン・ティ・ホン・ニュンさん(53歳)は31年間、ラミネートの仕事を続けている。1984年、ニュンさんは夫と一緒に仕事を探しにホーチミン市へ来た。はじめの頃、夫と共に建設の仕事をしていたが、きつい力仕事だったため、彼女は身分証明書をラミネートする仕事に転職した。

前へ   1   2   次へ
[Le Quan, Zing, 10:25 12/08/2015, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
VNインデックス1600突破、過去最高値更新 (19:56)

 12日、ホーチミン市場は1603.50(+0.42%)で寄り付いた後、前場の中盤にかけてプラス圏で一進一退で方向感のない取引が続いた。前場の終盤には売りが入ったことで値を下げる展開となった。  後場に入ると、...

HCM~ロンタイン空港間のメトロ建設を提案、投資総額3650億円 (15:15)

 地場インフラ企業のドナコープ(DonaCoop)および投資ファンドのビナキャピタル(VinaCapital)の共同企業体(JV)は、東南部地方ドンナイ省人民委員会に対して、同省で建設中のロンタイン国際空港とホーチミン市を結...

サングループ傘下の航空会社、初の機材を受領 11月就航へ (14:15)

 観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sun Group)傘下の航空会社「サン・フーコック・エアウェイズ(Sun PhuQuoc Airways=SPA)」は10日、会社設立後で初となる機材を南部メコンデルタ地方アンザン省(旧キエン...

父親から受け継いでこの道40年、「時」を修理する男性 (10日)

 ホーチミン市在住のグエン・クオック・フンさん(男性)は、40年以上にわたって時計の修理を生業にし、家族を養い、3人の息子を大学に通わせ、立派に育て上げた。  フンさんの店の名前が「グエン」(※名字のグ...

ベトナム海軍のミサイルフリゲート、ASEAN多国間海軍演習に参加 (14:00)

 ベトナム海軍第4地域海軍第162旅団所属のミサイルフリゲート「HQ-016クアンチュン(Quang Trung)」と海軍代表団は10日、マレーシアのペナンで開かれる第3回東南アジア諸国連合(ASEAN)多国間海軍演習(The 3rd ASE...

ホーチミン、26年7月からコンダオ諸島で排ガス規制を適用 (13:40)

 ホーチミン市当局は、コンダオ特区(コンダオ諸島)で2026年7月1日から排出ガス規制を開始し、2030年1月1日からは全てのバイク・自動車に対し排ガス基準レベル2以上を適用する方針を明らかにした。  2030年ま...

ベトナム人消費者、商品情報の検索時間は1時間以内が7割 (13:24)

 2025年のショッピングシーズンにおけるベトナム人1人当たりの平均支出額は398USD(約5万9000円)で、前年の352USD(約5万2000円)から+13%増加した。また、商品情報の検索時間を1時間以内とするベトナム人は全体の...

ハノイ・メトロ3.1号線、開業1年で利用者640万人超 (6:48)

 ハノイ市都市鉄道(メトロ)3.1号線(ニョン~カウザイ間)の高架区間は、2024年8月の商業運転開始から1年で、累計利用者数が640万人超となった。  1日当たりの平均利用者数は1万9000~2万1000人で、定時運行率...

ラム書記長が韓国大統領と会談、貿易額1500億USD目指す (6:06)

 国賓として韓国を公式訪問中のトー・ラム書記長は11日、同国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と会談を行った。ベトナムと韓国は1992年に外交関係を樹立し、30年後の2022年に包括的・戦略的パートナーシップを締...

バンブー航空、タンソンニャット空港発着の国内線をT3移管へ (5:22)

 地場不動産デベロッパー大手FLCグループ[FLC](FLC Group)傘下バンブー航空(Bamboo Airways)は、ホーチミン市タンソンニャット国際空港を発着するすべての国内線を現地時間8月18日午

第2回国際AI五輪、ベトナムがメダル7個獲得 団体戦は世界4位 (5:09)

 中国・北京で8月2日から8日にかけて開催された「第2回国際人工知能オリンピック(IOAI 2025)」で、ベトナム代表として出場した高校生8人のうち3人が金メダル、1人が銀メダル、3人が銅メダルを獲得し、1人が奨励...

ベトナム、大手企業経営者や著名科学者らに最長5年のビザ免除 (4:57)

 政府は8日、経済・社会発展に向けて特別に優遇が必要な外国人に対し、期限付きビザ免除措置を認める政令第221号/2025/ND-CPを公布した。同政令は15日に施行される。  同政令でビザ免除対象となる外国人は以...

ザライ省:国内初のAI農産品加工工場が着工へ、投資総額28億円 (4:29)

 ベトナム医薬品[DVN](Vinapharma)傘下のビナニュートリフード・ビンディン(Vinanutrifood Binh Dinh)は19日、南中部地方ザライ省タイソン村(xa Tay Son)で、人工知能(AI)を活用した

地場T&Tグループ、タイニン省の都市区に歩行者天国オープン (4:21)

 南部地方タイニン省カンズオック村(xa Can Giuoc)にある都市区「T&Tシティミレニア(T&T City Millennia)」内に歩行者天国がオープンした。歩行者天国は全長約2kmで、ライトアップされた川岸に位置している。 ...

スーツケース遺体事件、交際相手のろう者の男を殺人容疑で逮捕 (3:23)

 ホーチミン市警察は10日、7月下旬に同市タインミータイ街区(旧ビンタイン区)ソービエットゲティン(Xo Viet Nghe Tinh)通りの路地に放置されていたスーツケースの中から女性の遺体が見つかった事件で、殺人およ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved