ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ハノイで初のメトロ運行開始、着工10年の軌跡

2021/12/26 10:47 JST配信
(C) zingnews
(C) zingnews

さらに、2015年、2016年、2017年にも、建設資材が高所から道路に落下したり、作業員が死亡したりする事故が相次いだ。

 着工から運行開始までに交通運輸相も入れ替わり、10年間で3人がこの役職を務めた。投資総額は当初の8兆7700億VND(約436億円)から、18兆0016億VND(約895億円)に膨れ上がり、人々の利益のためのプロジェクトという期待は、いつしか失望に変わってしまった。

 2020年に入ると、プロジェクトは完成に向けて大きく動き出した。試験走行と並行して、メトロ2A号線を運営するハノイ・メトロ(Hanoi Metro)はプロジェクトの安全性を検証するために現場で様々なリハーサルを行った。

 2020年12月12日、全区間でシステム全体の試運転が始まった。これは本格的な運行開始を見据えた最終テストとなり、12月31日までの20日間にわたり試運転を行った。

 2021年になって、プロジェクトにとって最も大きな2つのターニングポイントが訪れた。まず、4月29日にフランス系コンサルタントであるACT(Apave-Certifer-Triccの3社による企業連合体)が、安全証明書を発給した。

 そして10月末には、建設事業検収国家検査評議会が投資主による検収結果を承認した。その時点で、プロジェクトは引き渡しと商業運転の条件を満たした。

 メトロ管理委員会は、運行開始日を週末の11月6日に設定した。11月6日から15日間は無料で運行し、21日から有料運行を開始することにした。

 ただし、無料運行期間中に乗車した人々のほとんどはあくまでも「試しに乗ってみる」という感覚で、バイクや自動車を捨てて電車の利用に切り替えることまでは考えていないようだった。

 市民がメトロを受容するかどうかは、無料運行期間が終わってしばらく経ってからわかるだろう、という意見が多い。


 なお、ハノイ・メトロによると、11月6日から12月5日までの1か月間におけるメトロ2A号線の利用者数は62万0464人、1日当たりの平均利用者数は2万0682人、運行本数は5599本だった。無料で運行していた11月6日から20日までの15日間の利用者数は38万0510人、有料化した11月21日から12月5日までの15日間の利用者数は23万9954人となった。

 今後、市内の通勤・通学の再開に伴い、さらなる利用者数の増加が見込まれている。

前へ   1   2   3   次へ
[Zing 07/11/2021, A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナム共産党、序列4位の国会議長を解任 首脳解任相次ぎ異例.. (26日)

 ベトナム共産党中央執行委員会は26日に臨時会議を開き、本人からの希望を受けて、ブオン・ディン・フエ氏の政治局員・党中央執行委員・国会議長としての職を解任することを決定した。  中央執行委員会は解...

アップル製品の生産拠点数、ベトナムが世界4位 東南ア最多 (26日)

 米アップル社(Apple)がサプライチェーンの多様化に注力している中、依然として中国が同社最大の生産拠点となっているが、ベトナムでも生産拠点数が大幅に増えており、主要生産拠点の1つになっていることが同社...

中国、南シナ海で3か月間の漁獲禁止を発表 ベトナム外務省が抗議 (26日)

 中国は、5月1日から約3か月間にわたり南シナ海での漁獲を禁止すると発表した。漁獲禁止が適用される範囲には、ベトナムが領有権を主張する南シナ海のホアンサ諸島(英名:パラセル諸島、中国名:西沙諸島)周辺海...

10代で結婚、30代で孫の世話…連鎖する児童婚 (21日)

 他に人のいない家の中で、タオ・バン・ポーさん(男性・36歳)が子供をあやして泣き止ませようとしている。一見、ポーさんが自分の子供をあやしているのかと思いきや、実はこの子供はポーさんの「孫」だ。  ...

ハノイ:行政区再編計画を承認、ホアンキエム区の合併なし (26日)

 ハノイ市人民委員会は25日、2023~2025年の行政区再編計画を承認した。これにより、ホアンキエム区の合併はせず、郡レベル(郡・区・町=thi xa)の行政区の数を現在の30で据え置くことで一致した。  計画に...

授業料返還渋る英語学校エーパックス運営会社に56万円の罰金処分 (26日)

 国家証券委員会(SSC)は、情報公開規定に違反したとして、英語学校「エーパックス・リーダーズ(Apax Leaders)」を運営するエーパックス投資ホールディングス[IBC](Apax Holdings)に9

双日、地場SaaS企業のフィンベトに出資 (26日)

 双日株式会社(東京都千代田区)は、ベトナムで主流となっている家族経営を中心とした小規模小売店の受発注管理やキャッシュレス決済用のスマートフォンアプリなどを手掛けるSaaS企業のフィンベトテクノロジー(Fi...

三菱重工、ベトナム現地法人を設立 駐在員事務所の機能を大幅強化 (26日)

 三菱重工業株式会社(東京都千代田区)は、ベトナム現地法人「ベトナム三菱重工業(MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES VIETNAM)」を設立し、このほど本格活動を開始した。ハノイ市バーディン区に本社、ホーチミン市1区...

南北高速道路、カムラム~ビンハオ区間が開通 投資総額540億円 (26日)

 南北高速道路の東側路線建設工事の一部である南中部沿岸地方カインホア省カムラム~南中部沿岸地方ビントゥアン省ビンハオ(Cam Lam~Vinh Hao)区間が26日午前に開通した。  同区間は全長78kmで、官民パート...

国家ハラール認証センター設立、イスラム圏への輸出強化目指す (26日)

 科学技術省品質測定基準総局傘下の適合認証センター(Vietnam Certification Centre=QUACERT)は24日、国家ハラール認証センター(HALCERT)の設立発表式典を開催した。  ハラール認証は、「イスラム法の定め...

大同工業、ベトナム子会社を増資 生産体制整備 (26日)

 二輪車及び四輪車部品、産業機械部品などの製造・販売を手掛ける大同工業株式会社(石川県加賀市)は、同社が100%出資するベトナム子会社のD.I.Dベトナム(D.I.D Vietnam=DVN、北部紅河デルタ地方フンイエン省)...

半導体産業人材育成に1600億円投入へ、計画投資省報告 (26日)

 ファム・ミン・チン首相は24日にハノイ市で開催された「半導体産業人材育成に関する会議」で、半導体人材育成制度を整備し、優遇的かつ具体的な仕組み・政策を策定することを指導し、教育施設や実験室、製作所...

中国人率いる違法高利貸しルートの元締めに有罪判決、年利2346% (26日)

 南中部沿岸地方クアンナム省人民裁判所は25日、中国人率いる高利貸し・債権回収の取り立てルートの被告40人に有罪判決を下した。被告は、元締めの中国人3人と共犯のベトナム人37人。  ルー・ワン被告(37歳)...

ベトナムの「ロト6」で過去最高の当選額、賞金19億円 (26日)

 財政省傘下のベトナムコンピュータ宝くじ社(ベトロト=Vietlott)はホーチミン市で23日、数字選択式宝くじ「パワー6/55(Power 6/55)」の抽選で特賞(Jackpot 1賞)に当選した幸運な男性2人に当選金を授与した。賞...

地場飲料大手会長親子の資産横領事件、元会長に禁固8年の判決 (26日)

 地場大手飲料メーカーのタンヒエップファット商業サービス社(Tan Hiep Phat)のチャン・クイ・タイン元会長 兼 社長(男・71歳)とその娘2人の計3人が、企業経営者など複数の個人から不動産開発用地を不正取得した...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved