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ハノイ市都市鉄道(メトロ)2A号線(ドンダー区カットリン~ハドン区間)を運営するハノイ・メトロ(Hanoi Metro)の2021年の売上高は53億VND(約3080万円)余りだったが、人件費や管理費などの費用がかさんだため、637億3000万VND(約3億7100万円)の純損失となった。2020年にも226億7000万VND(約1億3200万円)の赤字を計上しており、2015年6月以降の累積赤字は1600億VND(約9億3000万円)に上っている。
ハノイ・メトロのブー・ホン・チュオン社長は、路線バスのように国の助成金がなければ、売り上げだけで運営費を賄うことはできないと話す。4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う連休は終日大勢の乗客(1日当たり5万3000人)で混雑したが、それでも運賃の売り上げだけでは赤字だという。
交通運輸大学の教員ブー・アイン・トゥアン氏によると、計画通りであれば今ごろハノイ市では4路線のメトロが運営されているはずだったという。メトロ2A号線が1本開通しただけでは効果がないと話す。大型市内バスの1路線の1日当たり乗客数は約1万5000人、一方メトロ2A号線の1日当たり平均乗客数は約3万人で、市内バス2路線分にすぎない。
メトロ2A号線の設計上の輸送可能乗客数は1日100万人で、現在は10分の1にも満たない。トゥアン氏は、今のところメトロの意義は市民が公共交通に慣れるにとどまるとし、いつの日かメトロ4路線が互いに接続するようになれば、メトロ2A号線の利用者は1日10万人に増えると予想している。