ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

歌手Mr.ダムと歌声そっくり、視覚障害の青年が光を取り戻すまで Mr.本人が自ら支援

2022/11/13 10:20 JST配信
(C) thanhnien
(C) thanhnien 写真の拡大
(C) thanhnien
(C) thanhnien 写真の拡大

市場でのサプライズから数か月後、Mr.ダムはホンさんに病院で目の検査を受けさせ、約束した通り、ホンさんの両目に光を取り戻す手術の費用を拠出したのだ。病院での検査には、Mr.ダム本人も付き添った。

 そして11月9日、ついに運命の日を迎えた。執刀医は、世界角膜学会元会長のドナルド・タン氏が務めた。ドナルド・タン氏は角膜移植の分野で世界をリードする名医で、今回の手術のために米国から呼んだ。

 手術は無事に成功し、医師が眼帯を外そうとした瞬間、ホンさんと、付き添っていたホンさんの妹であるファム・ティ・ロアンさん(32歳)は緊張で息を止めた。ホンさんがゆっくりと目を開けると、光が差してくるのがわかり、ホンさんは喜びを噛み締めた。

 ホンさんの目の前には、最愛の妹がいた。ロアンさんは新型コロナで夫を失い、女手1つで子供たちを育てている。それから、医師や看護師、そしてMr.ダムのスタッフの姿もあった。ホンさんは何も言わずに涙を流し、周りを見回した。「これが光であり、これが長年夢見てきた人生だ」と。

 術後でまだ微熱が続いていたが、ホンさんは興奮気味にこう語った。「光が見えるようになったんです。まだちょっとぼやけていますが、先生によれば7~10日ほどで良くなるそうです。長い間、私の世界、私の人生は真っ黒でしたが、今はピンク色です。今は希望に満ちていて、生きる活力が湧きあがってきます」。

 Mr.ダムは仕事の都合でその場に立ち会えなかったが、光を取り戻したホンさんの目で自分の姿を見てもらえるようにと、2人はビデオ通話で話した。

 ロアンさんもまた、術後の経過が順調な兄の姿を前にして、涙を隠せなかった。ロアンさんは携帯電話に保存してある母親と父親、そして妻子の写真をホンさんに見せた。ついに自分の目で皆の姿を見ることができたホンさんは、泣き出したという。

 Mr.ダムによると、手術の費用として2億VND(約114万円)の寄付を集めることができたが、実際には3億2000万VND(約182万円)が必要だったため、残りの1億2000万VND(約68万円)はポケットマネーから拠出したという。

 手術の前のホンさんの目は、顔の前で手を振っても影が見えるだけだったが、手術の後には数m離れた指の本数を数えることができるようにまでなっていた。これから徐々に視力も回復していくという。

 Mr.ダムの「有言実行」に、ホンさんはもちろん、妹、母親、妻子、親戚と、皆がMr.ダムに心から感謝している。

前へ   1   2   3   次へ
[Thanh Nien 10:17 11/11/2022, 14:01 09/11/2022, 09:13 23/07/2022, 12:40 02/06/2022, 12:22 26/05/2022, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ハノイ:26年7月から環状1号線内でガソリンバイクを全面禁止へ (6:29)

 ベトナム政府は、大気汚染の深刻化に対応するため、2026年7月1日以降、ハノイ市の環状1号線内でガソリンを燃料とする二輪車(バイク・モペット)の通行を全面禁止する方針を打ち出した。これは、ファム・ミン・チ...

ダナン国際花火大会が閉幕、優勝は中国チーム (6:11)

 南中部地方ダナン市で5月31日から開催されていた「ダナン国際花火大会2025(DIFF 2025)」が12日、1か月余りの開催期間を終えて閉幕した。  13回目を迎えた今回のダナン国際花火大会のテーマは「ダナン−新時...

ネット騒然、メッセージアプリ「テレグラム」が再びアクセス可能に (5:21)

 9日午後、ベトナムの多くのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)利用者が、1か月ほど前にベトナムからの接続が遮断されたメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」の利用が可能になったとシェアした。...

世界のベトナム人街を訪ねて【ベルリン編・後編】 (13日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

国際化学五輪、ベトナム代表全員が金メダル 現地開催では史上初 (5:12)

 7月5日から14日にかけてアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催された「第57回国際化学オリンピック(IChO 2025)」で、ベトナム代表として出場した高校生4人全員が金メダルを獲得した。オンライン開催ではなく、現...

ホーチミン:メトロ地下駅とビルが直結、ベトナム初 (4:09)

 ホーチミン市サイゴン街区(旧ホーチミン市1区)にある同市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の市民劇場駅4番出口がこのほど、市民劇場(オペラハウス)向かいのショッピングモール「ユニオン・...

日韓ロッテ共同出資のベトナム現法、VPバンクとBNPLサービス開始 (4:05)

 ファイナンス事業や不動産開発事業、太陽光発電事業を手掛ける株式会社ロッテファイナンシャル(東京都新宿区)と韓国子会社のロッテキャピタル(LOTTE CAPITAL)の共同出資により設立されたベトナム現地法人のロッ...

ザライ省:コンテナ車のタイヤ脱落、散歩中の警察官が死亡 (3:48)

 南中部地方ザライ省アンニョンバック街区人民委員会によると、12日午後、同街区を走る国道19B号線で、走行中のコンテナ車のタイヤが脱落して歩行者を直撃する事故が発生した。  この事故で、タイヤが直撃し...

SMCとプラスマン、AI医療プログラムをベトナムに展開へ (2:27)

 日本の医療技術の海外展開支援や医療ツーリズムサービスを手掛ける株式会社SMC(北海道札幌市)メディカルツーリズム・ジャパン事業部と、アクチュアリーの数理モデリング技術を基盤とした人工知能(AI)プログラム...

国家賃金審議会、最低賃金を26年から平均+7.2%引き上げで一致 (14日)

 国家賃金審議会は11日に開いた会議で一般労働者向けの地域別最低賃金案について討議し、「2026年1月1日から現行比で平均+7.2%引き上げる案」を政府に提出することで一致した。  地域別の月額最低賃金は以...

ハノイ:Q2新築分譲マンション価格、前年同期比+33%上昇 (14日)

 不動産仲介大手CBリチャードエリス(CBRE)ベトナムによると、2025年4~6月におけるハノイ市の新築分譲マンションの平均価格は1m2当たり7900万VND(約44万円)となり、前期比で+6%、前年同期比では+33%の大幅な上...

コカ・コーラ、国内最大規模の工場を開設 投資総額200億円 (14日)

 コカ・コーラ・ベトナム(Coca-Cola Vietnam)は11日、南部地方タイニン省のフーアンタイン工業団地に、投資総額1億3600万USD(約200億円)の新工場を開設した。新工場は、同社が国内で展開する生産拠点4か所のなか...

ホーチミン:外国人が購入可能な住宅17案件を公表 (14日)

 ホーチミン市人民委員会は、外国の組織・個人による住宅の所有が可能な住宅プロジェクト17件のリストを公表した。  今回公表された対象プロジェクトには、◇住宅区「ドラゴンビレッジ(Dragon Village)」(投...

ベトナムのフードデリバリー市場、外資系2社がシェア9割を維持 (14日)

 ベトナムのフードデリバリー市場では、フーディ(Foody)の「ショッピーフード(ShopeeFood)」とグラブ(Grab)の「グラブフード(GrabFood)」の外資系2社が市場シェア90%を占め、引き続き圧倒的なシェアを維持して...

CDNetworks、ペトロリメックス航空燃料社と戦略的提携 (14日)

 シンガポールに本社を置くコンテンツデリバリネットワーク(CDN)プロバイダのCDNetworksはこのほど、ペトロリメックス[PLX](Petrolimex)傘下のペトロリメックス航空燃料社(Petrolime

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved