ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

きっかけは1万VNDの誤送金、運命的に出会った夫婦の物語

2023/05/28 10:10 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 すると、しばらくしてハイさんからこんなメッセージが届いた。「家の住所を教えて。あなたがどうであろうと、変わらず好きだから」。

 2日後、ランソン省に住んでいるハイさんが、突然トゥエットさんの家の前に現れた。その時、トゥエットさんは強がって見せたものの、実はハイさんを直視することができず、ぎこちなくなってしまったのだという。

 トゥエットさんの家で数日間を過ごす間、ハイさんはトゥエットさんがどうやって移動したり色々なことをしたりするのか、よく観察した。両手を使って移動しているにもかかわらず、何をするにも器用なトゥエットさんを見て、ハイさんは彼女がいかにエネルギッシュで、皆の負担になりたくないと努力してきたかを知った。

 そしてハイさんは故郷のランソン省には戻らず、ビンフオック省で仕事を探し、トゥエットさんのそばにいようと決めた。トゥエットさんの家から数百mのところに部屋を借り、時間があればトゥエットさんを誘って遊びに出かけた。

 数か月後、ハイさんはトゥエットさんに正式に告白したが、トゥエットさんはハイさんの気持ちが本物だとは信じることができず、告白を拒否した。そして、幸せを与えてくれる普通の女性を見つけるようハイさんにアドバイスした。

 それでもハイさんは諦めなかった。行動やメッセージで毎日気持ちを伝え、必要な時はいつでも彼女をサポートした。時間があるときはトゥエットさんを抱えて自転車の後ろに乗せ、一緒に通りを眺めながら自転車を漕いだ。2人が一緒に過ごす時間は日に日に増え、トゥエットさんはようやくハイさんの気持ちが本物だと信じられるようになった。

 そんなある日、トゥエットさんは妊娠していることに気づいた。医師は母体の健康が保証できないとして子供をおろすよう忠告したが、トゥエットさんは「この子を産みます。私の人生ですから」とはっきり告げた。そして、両親にも2人の関係と赤ちゃんの存在を認めてもらえず、2人は駆け落ちした。

 妹からの援助も合わせて数百万VND(100万VND=約5900円)をかき集めた2人は東南部地方ビンズオン省に行き、小さな部屋を借りた。ハイさんは工場に働きに出て、トゥエットさんは内職をした。2人は毎日一緒に料理をして、たくさん話をした。夜になると、出会ったころのようにハイさんはトゥエットさんを連れて散歩に出かけた。

 ただし、これはトゥエットさんの健康状態が安定している時だけで、妊娠中のトゥエットさんはつわりで何も食べることができず、水と牛乳しか飲めないような日々が続いた。トゥエットさんは、流産してしまうのではないか、もしくは自分のように障がいのある子供が生まれてくるのではないかという不安を常に抱えていた。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:00 23/04/2023, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ハノイ:交差点にAIカメラ1800台を設置、交通違反を自動検出 (4:14)

 ハノイ市交通管制センターは13日に運用が開始され、人工知能(AI)を搭載した監視カメラシステムによる交通違反の自動検出の本格導入がスタートした。  同市警察は交通管制センターについて、法令を遵守して...

日本の製造業の有望事業展開先、ベトナムは3位に後退 (4:12)

 国際協力銀行(JBIC、東京都千代田区)が発表した日本の製造業企業の海外事業展開の動向に関するアンケート調査結果によると、今後3年程度の中期的な有望事業展開先国・地域のランキングで、ベトナムは3位となっ...

FPTと三島光産、AI活用した次世代製造基盤構築の協業で合意 (3:00)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は、日本法人のFPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)の子会社であるFPTソフトウェアジャパン株式会社(東京都港区)を

湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (14日)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

日創グループ、ひまわり設計ベトナムを子会社化へ (2:35)

 金属加工や化成品、建設などの事業を手掛ける日創グループ株式会社(福岡県福岡市)は、ベトナムで建築建材などの作図・設計を行うひまわり設計ベトナム(HIMAWARI SEKKEI VIETNAM、ハノイ市)の全持分を取得し、子...

ベトナム、外国人のパスポート不携帯に最大50万VNDの罰金処分 (15日)

 家庭内暴力の防止や社会秩序の維持に関する行政罰を定めた政令第282号/2025/ND-CP(12月15日施行)では、ベトナムに滞在する外国人の出入国、居住、移動に関する行政処分が規定されている。  同政令の第21条...

イオンエンターテイメント、「イオンシネマ」ベトナム1号店を開業 (15日)

 日本全国に「イオンシネマ」98劇場を運営するイオンエンターテイメント株式会社(東京都港区)は7日、ベトナム1号店となる「イオンベータ・ビンコムスマートシティ(AEON BETA Vincom Smart City)」を、ハノイ市の...

アジア開銀、ベトナムの25年GDP成長率予想を+7.4%に上方修正 (15日)

 アジア開発銀行(ADB)は10日、最新の「アジア経済見通し」を公表し、ベトナムの経済成長率予想を上方修正した。同行は輸出需要の回復を背景に、米国の関税政策を巡る不透明感が残るなかでも、ベトナム経済は堅調...

マツダ、ホーチミンに東南アジア初の旗艦ショールームを開設 (15日)

 ホーチミン市トゥードゥック街区で11日、マツダの東南アジア初となる旗艦ショールームがオープンした。同店舗は、提携関係にある地場系コングロマリット(複合企業)チュオンハイグループ(Truong Hai Group=THAC...

ハノイ市、30年までにPM2.5を24年比20%削減 国会決議 (15日)

 国会は10日、環境保護に関する政策・法律の実施効果を高めるための決議を採択し、この中でハノイ市とホーチミン市の2大都市に対し、大気汚染の早急な改善措置を実施するよう要請した。  特にPM2.5(微小粒子...

ビングループ、建設業界に本格参入 労働者10万人募集 (15日)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)が建設業界への本格参入に向けて準備を進めている。傘下のビンコンス建設投資開発(Vincons Construction Developme

第15期国会第10回会議が閉幕、最終会期で法律51本を可決 (15日)

 第15期(2021年~2026年任期)国会の最終会期となる第10回会議が11日に閉幕した。  今国会で51本の法律が可決、39本の決議が採択された。また国会は、会期中に採択した決議の中で、政府に対して今後の重要任...

映画ファンド「ファンドゴー」始動、ベトナム映画を世界へ (15日)

 地場イノベーションファンド「ファンドゴー(FUNDGO)」は南中部地方ダナン市で10日、映画ファンド「ファンドゴー・シネマ(FUNDGO Cinema)」を立ち上げたと発表した。  ファンドゴー・シネマは、ファンドゴー...

ホーチミン:公共交通指向型都市開発、ベンタイン駅周辺など優先 (15日)

 ホーチミン市人民委員会は、同市都市鉄道(メトロ)2号線(ベンタイン~タムルオン間)沿いの公共交通指向型都市開発(Transit-Oriented Development=TOD)に関する実施計画を発表した。    TODは自動車に依存し...

ホーチミン:売春斡旋罪で元客室乗務員と中国人の男に禁固刑 (15日)

 ホーチミン市人民裁判所は11日、売春斡旋罪に問われていた元客室乗務員の女と、その愛人の中国人の男らに有罪判決を言い渡した。  売春斡旋ルートを運営していたディン・ティ・タイン・トゥエン被告(女・32...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved