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テクノロジーが日々進化するこの時代に、新しい種類の時計の修理にも対応できるよう、フンさん自身も技術を学び、機械設備にも投資してきた。こうした努力のおかげで、これまでの数十年間で手に負えなかった修理はほとんどない。
「高級な時計かどうかは関係ありません。お客さんが私を信じて預けてくれたからには、どんなに難しかろうと、修理する責任がありますから」とフンさん。
時代は変われど、フンさんは、父親が残してくれたガラスプレス機と木製ホルダーの2つを、今も使い続けている。これらの工具は、当時のフランス人の農園主が父親に贈ったもので、50年以上経った今も現役だ。
フンさんによれば、今では誰もがスマートフォンで時間を確認するようになり、時計自体も簡単に買えるため、時計の修理の仕事は徐々に失われつつあるという。
それでもフンさんは、変わらず作業台の前に座り続ける。
40年以上にわたってこの仕事で家族を養い、3人の息子を大学に通わせ、立派に育て上げた。お金に関するプレッシャーは昔ほどないが、客と顔を合わせて話をし、自分がまだ社会の役に立っていると実感するために、フンさんは今日も店を開いている。