![]() (C) vietnamnet |
![]() (C) vietnamnet |
ハインさんだけではない。数年前には、台湾からの客も職人技にすっかり感心したという。コーさんによると、台湾ではデュポンブランドのライターが特に好まれており、収集家も多いのだという。
台湾ではこの種のライターの修理費用が非常に高く、多くの場合はメーカーに送らなければならない。一方で、コーさんのように路上で修理を行う職人はほとんど姿を消してしまった。
あるとき、台湾人観光客がホーチミン市を訪れ、路上でライターを修理するコーさんを偶然見かけた。通訳を介して、手持ちのデュポンのライターを修理できるか、また所要時間はどのくらいかと尋ねた。
客のライターを数秒観察した後、コーさんは「30分ほど」と答えた。客は半信半疑だったが、その場で待つことを決めた。そしてちょうど30分後、コーさんは高価なライターの不具合を見事に直してみせたのだった。
この出来事に、台湾人客は驚き、敬意を抱いた。それ以来、高級ライターの愛好家がベトナムを訪れると、コーさんを探し訪ねることが増えたという。
コーさんは静かに語る。「年は取りましたが、仕事が大好きなので、引退を考えたことはありません。45年続けてきましたが、まだこの仕事を完全に理解したとは思っていません。年を重ねるほど、学ぶこと、探求することがまだまだたくさんあると感じます。でも、いずれはこの仕事も、街の記憶の一部になってしまうでしょうね」。
・ 父親から受け継いでこの道40年、「時」を修理する男性 (2025/08/10)
・ ホーチミンの街並みに残る路上床屋の文化 (2024/04/28)
・ この道30年、人々の心を文字に起こす路上のタイプライター職人 (2023/07/09)
・ ダナンで最後の雨合羽の補修職人、時代とともに変化する需要の中で (2022/12/11)
・ 鍛冶屋、刃物研ぎ師、時計職人…消えゆくサイゴンの職人芸 (2015/11/21)
・ 石炭アイロンのラミネート職人、古き良き文化を守る女性たち (2015/09/27)
・ かつて大繁盛の時計修理屋、ケータイ時代の到来と共に消え (2013/09/08)
・ 時代と共に消えてゆく昔ながらの商売 (2013/08/28)

から



)
)
)
)
)

)

)
)

)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)
)













