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世界11か国で人材紹介事業を展開する株式会社ジェイエイシーリクルートメント(東京都千代田区)は、2021年1~3月期におけるベトナムのホワイトカラー人材紹介市場の動向を発表した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束を見込み、ベトナムを除く全てのアジア各国の求人数が前期比で増加した。ベトナムの求人数は前年同期比▲26%減、前期比▲12%減となった。日本は前年同期比▲3%減、前期比+18%増だった。
ベトナム法人ダイレクターのレ・トゥイ・ジエウ・ウエン氏によると、ベトナム経済は国内需要・合弁事業・国際市場に注力し、段階的に回復に向かっているという。人々の移動や旅行のニーズが増加し、国内市場の旅行、運輸、サービス関連のビジネスは回復が期待されるが、海外市場にサービスを提供している企業は、出入国の制限が解除されるまで回復の見込みが立たない状況だ。また、近年のベトナム経済は上昇基調が継続しており、好景気が続けば、建設業や加工業など今後成長が見込まれる分野の飛躍が期待されている。
ベトナムにおける企業の採用動向についてウエン氏は、新型コロナの影響により2020年から飲食店やホテルなどの業界の求人は停滞状態が続いているものの、製造業や建設業では採用意欲が高く、求人は堅調に推移していると指摘する。
2020年から、ベトナムでは中国系企業や韓国系企業の製造業が積極的に市場開拓を行っており、外資系企業とローカル・日系企業による競争が激しくなっているが、外資系企業との競争を意識して戦略を立てる企業は少ないという。外資系企業への対抗措置を図ることにより、業績の向上や採用競争力の強化などのメリットがあるものの、実際に施策を実施できるローカル・日系企業は少ないのが現状だ。
求職者の動向については、ベトナム人の極端な売り手市場が続いているものの、ハイスキル人材向けの求人を目指してベトナムに入国する日本在住日本人の転職希望者が一定数存在する。ハイスキル人材の採用では、スキルや経験だけでなくコミュニケーション力の高さ、提案力、誠実さなど、人間力の高さを考慮する企業が増加傾向にある。